夢幻なる絆

□3.居場所
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「夕凪、入るよ?」
「た帯刀さん?はいどうぞ」

しばらくすると梅さん言われてやって来た帯刀さん障子の向こうから声を掛けられ、私は思いっきし声を裏返えらせ返答すると障子が開きいつもと違った帯刀さんが入って来る。
当たり前だけど、今まで寝着を着た帯刀さんなんて見たことない。

今の帯刀さんって、なんて言うか大人の魅力があって色っぽい・・・。
凡人以下でウエストなんてないお子様体型の私とは大違い。

「あそのこ今夜は、よよろしくお願いします」

緊張しているらしく、体がガチガチに固まり思うように動かない。
自分の体なのに、他人の体のよう。

「そんなに緊張しなくても、今夜は一緒に寝るだけだから安心しなさい。私は夕凪を傷付けたりはしないから」
「そそうですか。ででも一緒に寝るってここにってことですよね?」
「それは譲れないからね。愛しい夕凪、私の味を覚えなさい」
「・・・・え?」

チュチュ


そんな私に帯刀さんは優しい言葉を投げかけそれでも緊張し続ける私を、ギュッと抱き寄せキス・・・違う。
口の中に何か生暖かい物が入ってきたと思えば、それはまず口の中をなめ回した後舌に絡み合う。

これはひょっとしなくてもディープキス。
帯刀さんの味を覚えるって、そう言うこと?

・・・・・・・。
・・・・・・・。
・・・・あれ?
あんなに緊張していたてガチガチだったのに、不思議となんだかだんだんほぐれていく。

帯刀さんの味は優しくて日だまりみたいな甘い味・・・。

私のことをどんなに愛してくれているのかが伝わってきて、嬉しくて涙が溢れて止まらない。

私こんなに幸せでいいんだろうか?
そして私もそんな帯刀さんの愛に応えたい。
胸の中が熱くなって、何かが弾ける気がした。
そう言うことは恥ずかしいことで段階を踏んでいかないと私には無理だと思ってたけれど、相手が帯刀さんならこの先に進んでも恥ずかしくない。
と言うかやって欲しい。

「夕凪・・・?」
「私、本当に嬉しいんです。帯刀さんが私を選んでくれたことが・・・。だから私を帯刀さんの・・・女にして下さい」

涙ながらに心の底から感謝して恥ずかしがることなく大胆にせがむと、帯刀さんは笑みを浮かばせ何も言わずに私を優しく押し倒し帯に手を掛ける。

まるで私が硝子で出来ているかのように、そっと優しく包み込む。



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