夢幻なる絆

□3.居場所
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「奥様、龍馬さんがお越しになりました。通してもいいでしょうか?」
「え、あうん。どうぞ」

しばらくシロちゃん抱きしめ庭をぼーと眺めていると、梅さんがやって来て初めて聞かれる問いに私は違和感を持ち戸惑いながらも反射的に頷く。

今までなら誰にも通さず勝手に来ていたのに、今日に限ってなんでそんな礼儀正しいことするんだろう?
私に気なんて遣わなくて良いのに、変な龍馬・・・。

「シロちゃんのこと、龍馬は知ってるのかな?」
「知らぬ。小松帯刀は誰にも話しておらぬ」
「ふ〜ん、そうか。ならシロちゃんは猫でいてね」
「ふむ・・・」

龍馬にならすべて話しても大丈夫と言うか力になってくれると思うんだけれど、帯刀さんが話してない以上私からは話せずシロちゃんと口裏を合わす。
龍馬には悪いけれど、帯刀さんとの約束は破りたくはない。

夫婦だけの秘密。
そう言うのって、夫婦らしくて嬉しいな。
私と帯刀さんの夫婦がの絆が、少しずつ強くなってる証拠だよね?

「へぇぇ、夫婦の絆が強くなって、誰にでも羨ましがられる夫婦になれればいいな」
「凪、元気良さそうじゃねぇか?寝てなくて大丈夫なのか?」
「あ、龍馬いらっしゃい。うん、もう平気」

妄想に浸り顔が歪みきって変態さんになっていると、ようやく龍馬が来てくれて私の体を心配してくれる。
いつもの優しい龍馬だった。

「そりゃぁ、良かった。団子買ってきたから食べようぜ?」
「そうだね。ありがとう。そう言えば今日はどうして直接来なかったの?」

龍馬から団子のお土産をもらい包みを開けながら何気なく聞いてみるれば、龍馬は髪をかき困ったような素振りを見せる。



「そりゃぁ今までは居候だったから気兼ねなく会えたが、帯刀の正室になった以上そういうわけにはいかんだろう?」
「言われてみれば、確かに。なら後で梅さん達には龍馬なら通してねって頼んどくよ」

言われて気づきでも龍馬なら帯刀さんとも仲が良いし何も心配がないから、気楽にそんなことを言う。
それにやっぱり龍馬は親友だから、今まで通りの付き合いをしたい。

「宜しくな。それよりそれ猫か?」
「え、うん猫。帯刀さんに頼んで飼うことにしたんだ。シロって言うの」
「ニャ〜ゴ」
「なんとなくだが、風格が白虎に似てなくないか?」
『!!』

いきなり振られたシロちゃんの話題になんとか平然を装い口裏を合わせた通り紹介してみたけれど、なぜか疑いの目を向けられ図星を言われ私達は絶句する。

風格が白虎?
いくら外見が愛らしくても、見る人が見れば白虎だって分かるの?
どんな姿になろうとも神様は神様って言うこと?
だったらシロちゃんを、他人に見せず隠しとく方が良い?



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