夢幻なる絆

□2.高嶺の花
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「凪くんのことだからサトウくんが、どんな相手なのか知ってるんだよね?なのにどうしてあんな態度を取ったりするんだい?」
「はい、もちろんです。だってアーネストさん、王子様見たくって格好いいんだもん」

部屋に乱暴に放り込まれたと思ったら、とてつもなく迫力のある声で説教が始まった。
それでも私は反省する素振りなど見せず、開き直りそう明るく笑って答えてみる。
するとますます大目玉を喰らうかと思えば、意外にも呆れきってしまいこれ以上もないぐらい深いため息を付かれてしまう。

そんな反応されると、恥ずかし過ぎて凹むんですが・・・。
やっぱ秘密するべきだったかな?

「君は本当に馬鹿なんだね。サトウくんと君が釣り合うわけないでしょう?もっと現実を見なさい」
「は、何言ってんですか?私別にアーネストさんにそう言う感情は、これぽっちも抱いてないですよ。単なる憧れですから。あ私アーネストさんにお茶とお茶菓子出してきますね」

完全な酷い誤解をされるが、私はあっさり明るくそれを否定。
そんなことより唐突に思い出したナイスアイデアを実行するべく、説教中にも関わらずウキウキ気分で台所に行こうと部屋から出ようとするが、

「どうして、凪くんはいつもそうなの?本当に気づいてない?」
「え?・・・帯刀さん、いきなり何し出すんですか?」

背後からなぜか強く帯刀さんに抱きしめられてしまい、本当に辛そうに耳元で囁かれてしまった。
それはまるで恋愛ゲームの恋愛フラグ。

何がきっかけで発動したかまったくもって分からないけれど、体中が燃えるように熱くなってアーネストさんの時以上に心臓が高鳴って壊れそう。
帯刀さんのいい匂いがして、考える機能が麻痺していく。

私帯刀さんのこと好きなの?
そして帯刀さんも、私のこと・・・好き?
そんなことありえるの?

「凪くんは、私のこと好き?それとも愛してる?」
「それはその・・・帯刀さんのこと・・・」

その場の雰囲気に流されやすくすっかりその気になったって言うのもあって、ついさっきまでまったく想っていなかった想いを数々の疑問を残しながらも告げ掛ける。

「クッ・・・アハハハ。もう限界」

なのに帯刀さんは私から抱きしめられた手を放し、いきなり何かに取り憑かれたように声を出し涙まで浮かばせ笑いだす。

「帯刀さん?」
「冗談に決まってるでしょう?凪くん私のこと絶対好きにならないと宣言したのに、あれは真っ赤な嘘なんだね?」



「帯刀さんなんか大嫌い。こんな家家出してやる!!」



あまりの凶変ぶりでいつも通り私をここぞとばかり見下す最低最悪の帯刀さんに、私はすぐに我に返りブチギレそう言い捨て殴り屋敷を飛び出した。



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