夢幻なる絆
□15.遙かなる時空の中で
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「マリアちゃん、僕が絶対にマリアちゃんのことを護るからね」
「崇、無理しなくても良いんだよ。私のことはお父さんが護ってくれるって言っているから」
「・・・マリアちゃん。僕は君の彼氏なんだよね?」
「え、そうだけど?」
崇と合流して燭龍の所まで来た時明るく言ってくれるけれど、繋いだ手が震えているのが伝わってくる。
だから私安心させようとして言っただけなのに、なぜか崇は落ち込み周囲はクスクス笑い出す。今まで感じていた張り詰めた緊張感が一気に消えてなくなった。
崇は私の自慢の彼氏なのになんでそう言うことを今更聞くんだろう?
言い方が間違えた?
・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・。
好きな人の言葉は信じるもんだよ。
って凪は私に教えてくれた。
それはつまり崇を信じることで、崇に護ってもらうべきだった。
・・・どうやら私は言い方を間違えたらしい。
「やっぱり私崇に護ってもらう」
「任せてよ」
遅いとは思いつつも言い直せば崇に笑顔が戻り、胸を張って頷いてくれる。
これが正解だった。
ゲームと違ってボス戦は脅威的な物で私はほとんど役立たずでほとんど崇に護られていた。
「崇、お前ガードすることしか出来ないのか?」
「しょうがないだろう? このメンバーだとガードする人がいないんだからさ。それとも都姉か四神の誰かが回ってくれるの?」
「ごめん、私が悪かった。お前はガード専門でいい」
「なんかその言い方ムカつくんだけどさ」
都は崇に文句を言うが謝り崇の返答に謝るけれど、それはそれで崇はへそを曲げる。
崇も戦いたい?
「崇、私が変わる?」
「大丈夫。マリアちゃんはマリアちゃんのやるべき事をやりなよ」
「三人とも集中しろ」
私も力になりたいって思ったから言ったのに断れた挙げ句お兄ちゃんにも怒られてしまう。
でもそれは明らかに私達が悪いから無言になり、崇も都も言われた通り集中する。
その間もお父さんと龍馬と四神達は攻撃を仕掛け続け徐々に弱ってきて、お兄ちゃんの一撃で遂に怯み隙が出来た。
今だと思った私は力を一点に集中させ赤い光の玉をに目掛けて撃つ。
まともに喰らったは動けなくなる。
「マリア、都、今だ」
「分かってる・・・めぐれ天の声!」
「響け、地の声!」
『かのものを封ぜよ!』
お父さんの掛け声で私と都は打ち合わせした通り呪文を唱え解き放すけれど、なぜか後少しの所で浄化出来ず跳ね返されてしまう。
「浄化が出来ない? 四神、どういう事だ?」
「マリアの白龍の神子としての力が足りない?」
「正式な白龍の神子ではないからな。あとほんの少しあればいい」
当たり前のように全員は驚きざわつき四神達に問うと、朱雀と青龍はある憶測を立てる。
二人にも予想外な出来事。
「今さらそれを言うか?」
「それじゃぁ仕切り直しと言うこと?」
「ここまで来たら倒すしかないだろう?」
「浄化しないと無意味だ」
思わぬ事態に全員が騒ぎだし、は再び力を取り戻していく。
このままでは今までの苦労が水の泡だけれど、力の足りない私にはどうすることも出来ない。
「凪とマリアの力を合わせれば問題は解決される」
「でもその凪を呼びに行く時間さえ」
「我らの神子もどうやら来てしまったようだね? 小松帯刀はいないらしい」
白虎がクスッと笑いながら言うので私は振り向くと、本当に凪が一人だけが息を切らしてやって来る。
結果的には来て良かったとしても、どうしてここまで来た?
帯刀は?
「凪お前どうして?」
「胸騒ぎがしたんだ。それに私は四神の神子だから、何かしら役に立つかと思ったの」
「言いたいことは山ほどありますが、今はナイスタイミングです」
龍馬とお兄ちゃんは少々険しい表情を浮かばせるけれど、本音はここにいる全員が喜んでいる。
凪がいれば浄化が出来るから。