夢幻なる絆

□15.遙かなる時空の中で
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「父上、お話があります」
「だろうな。言わなくても察しは付くこれから燭龍を倒しに行くんだろう?」
「はい。父上も協力してもらえませんか?」
「もちろんだ。子供達のしでかした過ちの後始末は親がするのは当然だからね。その代わり後でとっておきのお仕置きを受けてもらうからな」

さすが父上で言わなくてすべてを理解しており、冗談なのか本気なのか分からないことを言って笑う。
しかし事実お仕置きを受けるのは覚悟出来ている。

俺達はどうやらボス戦を甘く見すぎていたらしい。
勝利の代償は大きいもので、瞬は生死をさ迷い帯刀さんと神子様も重傷。軽傷者は多数。
本来ならばすぐにでも倒しにいくはずだったが、これではしばらくは無理。ひょっとしたら今以上の代償と引き換えなければ勝利はないのかもしれない。
だとしたら原因を作った俺達が片付けるべき。

「マリアはどうするんだ?」
「出来ることなら関わらせたくなかったのですが、浄化の力は必要不可欠です」
「そうだな。後は四神の協力も」
「当たり前だ。来るなと言われても行く」
「我らは凪の幸せを護るために戦うだけ」
「凪にはこれから先ずーと笑顔でいて欲しいからな」
「私の場合はヒノエは元天の朱雀ですから、ちゃんと最後まで見守らせてもらいますよ 」

俺達の話を聞いていた四神達は頼む前に承諾してくれこれで一件落着。

朱雀以外は凪さんのことしか頭にないらしいが、神様が自分の神子を優先して良いんだろうか?
日本を守護する物では?

「お前らはこの戦いが終わったらどうするんだい?」
「もちろん、凪の傍にいる。これからの四神の神子は凪の子孫にすることを我ら全員合意した」
「帯刀は知ってるのか?」
「はい。なんとか許可を取りました」
「そりゃ良かったな。それにしても神は自分の神子が好きだよな? 白龍も未だに二人の神子を愛してる」
「そうなのですね」

俺の疑問はすぐに判明する。
父上は苦笑していて、すでに仕方がないと言う感じだった。

白龍は母上と望美さんを愛してる。
だがそんな愛しい人を苦しめている。

「堪渓、お前達があそこに飛ばされたのは事故だ。すでに十分過ぎるほど反省しているから、そんなに恨まないでくれ」
「・・・・・」

いくら父上の頼みであってもこればかりはそう簡単に許せるはずがない。
白龍のせいで俺もマリアも辛い日々を送ってきた。

手に力が入り強く握りしめる。

「そこにはマリアの運命の奴がいただろう?それにお前だって」
「それはそうですが」
「安心しろ。事件が発覚後、白龍はオレ達夫婦がボコボコにした。当たり前だろう? お前達がいる時空を判明したのに数年。同じ時空に飛ばせるのは数年後の満月と言われたんだ」

父上の言っていることはもっともで、マリアは崇に俺は都に出逢った。
そう考えると良い面も多少はあるが、それでも許せるほど俺は人間が出来ていない。
しかし父上も俺と同じ怒りもあったらしく、白龍にはすでに体裁済み。
母上までも。
それが分ければ俺も少しは白龍を許せる。

「分かりました。父上の判断に従います」

渋々俺は頷き納得する。


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