夢幻なる絆

□15.遙かなる時空の中で
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「小松さんと凪さん。それにアーネスト?」

リンドウ邸に行く前にゆき達ご一行に出会う。
今日は都と瞬は言うまでもなく、総司くんと高杉の五人。

「藤原まで?何しにきた?」
「俺は都に話があってきたんだ」
「私に?なんだよ?」

いくら和解したとは言え今まで散々やらかしているのだから警戒されるのは当然だけど、それは渓だけのようで都と瞬のガードと睨みぶりが半端なく怖い。
 
私達以上に何を・・・まさかゆきにまで手に出したのか?

しかし渓は平然としていて、都の前に立ちそう答える。指名された都は動揺し顔を真っ赤に染めた。

「ここで言わせるのか?」
「え?」
「良いから早く言え」
「うん。私も知りたい。渓さんは都に一体なんの用なのですか?」

何も知らないことは究極の罪で、ゆきまで興味津々に聞いてくる。

それは今までの渓の行いからの心配だとは思うけれど、これは鈍感な私にも分かる空気。
私が言える立場じゃないけれど、二人ともデリケート無さすぎです。

「神子殿も瞬も少しは空気を読む勉強をしなさい」
「は?」
「え?」

呆れる帯刀さんに忠告されるが、二人にはまったく理解されず。
総司くんはいつもと変わらなくて、高杉は察したのか来ますそうな表情をしている。

「都、大学卒業するまで待つから、俺と結婚してくれないか?」

そして行われる迷いもなく真剣な突然の公開プロポーズ。
私だったらそんなことされたら死ぬ。

「は〜?お前、ついに頭も逝かれたのか?」
「・・・すまない」
「・・・空気を読む勉強をします」

声を裏返し渓を罵倒する都だけれど、心の底から嫌がっている感じはしない。
ゆきと瞬は静かに謝罪。

「俺は本気だよ。良く考えた結果、俺は都のことが好きで、他の男に取られたくないんだよ」
「わ私はゆきが好きだ」
「都、それ意味が違うよ」
「違わない。私はゆきを愛してる!!」
『え?』

更に渓の本気の告白は続くけれど、都の答えは際どいもので誰もが驚き声をあげる。
それが本気なのか照れ隠しで言ったのかは、都に限ってはわからない。

確かにゲームの都は百合らしいと雪ちゃんは言っていたけれど、ここではゆきと先日親友になったんじゃなかったっけぇ?
ひょっとして失恋したゆきを励ましているうちに、禁断の恋に発展して百合カップル誕生したとか?

「そうか。それが都の答えだな。凪さん帯刀さん、俺帰ります」

 いくら渓でもこればかりはショックだっちらしく、重く受け止め落ち込んだ様子でどこかに行ってしまう。
励ます言葉が見つからない。



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