夢幻なる絆
□14.選んだ道
26ページ/31ページ
「凪、らいすきだ」
「え、クロちゃん?お酒臭い?」
宴会も佳境に入りいつものように龍馬達はへべれけになり、でも帯刀さんはちょっと酔っているだけで安心してたら、クロちゃんがいきなり抱きつき甘えてくる。
それは最早自殺行為であるけれど、クロちゃんはもろに酔っぱらいになっていた。
神様でも人の子のお酒で、ろれつが回らなくなるほど酔う。
意外すぎる新発見。
「クロ、みっともないですよ。凪が嫌がってます」
「凪が私の事を嫌がる?そんなことあるはずない。な、凪?」
「・・・ちょっと嫌かな?」
「ほら見なさい」
「凪の馬鹿 !!!」
シュウちゃんが加勢してくれ私もつい本音を漏らせば、クロちゃんは泣きながら捨て台詞を吐き札に戻ってしまう。
ちょっと可愛そうなことをしたと思う物の、酔っぱらいにはこのぐらい冷たくてもいい気がする。
「まったく神の癖にたかが酒に溺れるなど情けない」
「そうだねぇ」
「・・・アオとシロは呑みすぎですよ。いくら酔わないからと言っても、クロと同類です」
『うっ!!』
そんなクロちゃんを貶す見た目アダルト組だったが、シュウちゃんにごもっともなことを言われて撃沈。
二人の後ろには、芋焼酎の瓶が五本も転がっている。
こちらは豪酒なんだ・・・。
ちなみにシュウちゃんもお酒を呑んでいるようだけど、場所をわきまえてほどほどと言った感じなんだろう。
一番シュウちゃんが強い気がするのはなぜ?
「こうしてみると酔っぱらいは見苦しいものだね?」
「そうですよ。いつもは帯刀さんも同類ですけどね」
「これからはほどほどにします」
「そうして下さい。あ、でも半年に一度ぐらいなら、ここまで酔っぱらいになっても構いませんよ」
覚めた目で見ると帯刀さんでも最悪なのが分かるらしく、私もいい機会なので釘を指してからいくらか多めに見ると告げる。
別に常識の範囲以内でお酒を呑むのは良いけれど、性格が崩壊する酔っぱらいは勘弁して欲しい。
「いいのかよ、それで?」
「うん。たまにはそうやってストレス発散した方がいいじゃん」
「まぁそう言う考え方も一理あるか。だけど私はあそこまでの酔っぱらいはごめんだな」
すかさず都からツッコミを入れられるけれど、それは私なりの考えがあってのこと。
しかしそれは変わっていたらしく、
「そうかな?そりゃ暴れて暴力を振るったらいやだけど」
「そこまで酷かったら離婚しろ」
「そうだね。その時は、離婚するよ」
「私は何があろうと妻に暴力を振るわないと誓う」
いくら帯刀さんを愛していてもDV夫はごめんなので都の意見を取り入れたら、顔を青ざめた帯刀さんがそう誓いを立ててくれる。
そんなことを誓わなくても、帯刀さんならDV夫にならない。
私は信じてる。