夢幻なる絆

□14.選んだ道
24ページ/31ページ


「みなさん、こちらが四神です。左から青龍朱雀白虎玄武」
「四神って人の姿にもなれるんですね?」

ゆき関係の大人数がやって来て大広間で四神達を紹介する。
人間の姿に初対面のゆき達はともかく南方先生達も驚く。

「凪が望めば我らはどんな姿にもなれる。我らの主の言の葉はすべてだ」
「・・・私四神の神子じゃぁ?」
「だったらこれからは四神の飼い主と言うことにしたらいい」
「玄武、私達はネコと平田と同格なのですか?」
「凪、玄武の言の葉を気にしたらいけないよ。これからは四神の天子と名乗りなさい」
「はぁ・・・」

今日も相変わらず四神の暴走は絶好調のようで、いつの間にか私は凄いことになっていた。
それにしても玄武はM気質があるらしく、いろんな意味で危ないかもしれない。
まぁ天子で納得する三神もどうかと思うけど。
どのみち四神の天子なんて恥ずかしいから、自ら言ったりなんかしない。

「このように四神は妻一筋です。まったくどうして妻は私だけの者のだと言うことがわからないんだろうね?」
「た帯刀さん、今はそう言うことではなく、さっさと本題に入りましょう?」
「お前やっぱり色々大変なんだな?」

帯刀さんは帯刀さんでこんな場所でこれまた恥ずかしいことを平気で言うため、また都から可哀想な眼差し見られ同情されてしまう。
馬鹿にされないだけましなんだけれど、それでもこの空気は苦手だ。

「そうですね。神子殿、何か質問はありますか?」
「・・・マリアは参加しないんですか?」
「はい。マリアは瞬が嫌いだから、会いたくないと言って不参加です」
「渓、あんたたまに言いにくいことズバッと言うよね?」

渓が進行役を勤めてくれてホッとしたのもほんの束の間、ゆきの問いになんの迷いもなく真実を答えてしまうこの男。
言われた瞬は可愛そうにショックを受けたらしく、ゆきも自分のことのように悲しそうな顔をする。
嘘でもいいから風邪気味だって言えばいいのに、絶対わざと言っているに違えない。

・・・私の周囲にはまともな男性がいないんだろうか?

類友と言う言葉が胸に染みる。

「瞬ならいいんです。とにかく瞬、俺が今さら言うのもあれだか、今俺達がやろうとしてるのはみんなが幸せになる未来なんだ。だからこれからは神子達と協力していきたい」
「そんな都合の良い話信じられない」
「私は信じるよ。だって私達も同じことをしようとしてるじゃない?」
「ゆき?」

最後に瞬を軽く見ている発言を交わした後、深刻にようやく本題に入る。

渓も相変わらずようだけど、瞬との関係ってなんなんだろう?
悪友とか?
案の定瞬は聞き耳持たずで、ゆきは疑いなしに信じる。
こうなれば瞬も反対はしないだろうし、夢の屋と総司くんも似たようなもの。
龍馬達も私達の味方。
問題と言えば、都か・・・。

「それでマリアも助かるんだな?」
「ああ。この件がうまくいけば俺とマリアは父上と一緒に帰る。そうすれば世界侵略も起こることはないだろう」
「分かった。私も協力する」

意外なことに都が反対することもなく、協力体制はあっさりと決まりホッと胸をなで下ろす。

そう言えばマリアちゃんが、渓と都が恋仲かも知れないって言ってたっけぇ?
あれは本当だったんだ。
だとした渓はすべてが終わったら、祟と一緒にお持ち帰りでもするんだろう
それとも渓だけ戻らない選・・・シスコンなんだからそれはないな。


次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ