夢幻なる絆

□14.選んだ道
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「咲さん。入ってもよろしいでしょうか?」
「南方先生?はい、どうぞ」

そんな時戸の向こうから南方先生の確認の声がして、咲ちゃんはそう言いながら戸を開けると龍馬とマコトおまけにチナミちゃんまでもがいた。
マコトに会いに来たんだろう。

「凪さんマリアさん、いらっしゃっい」
「南方先生、お邪魔してます」
「仁、チナミ、チナミのお兄ちゃんこんにちは」
「こんにちは。こんな愛らしい子に兄と呼ばれるのも悪くないね?チナミ、私は応援してるよ」
「あ、兄上?私とマリアは友達で、マリアにはもう許嫁がいるんですよ」
「男なら奪ってみなさい」
「は、何を言ってんですか?」

私の印象では大人しく人畜無害だと思っていたマコトなのに、笑顔で男らしいことを言ってチナミちゃんを激しく動揺させる。
顔を真っ赤に染まらし声が裏返らせるチナミちゃんは可愛い。

「チナミのお兄ちゃん。私の恋人は崇って言って、すごく優しくて自慢の彼氏なんだよ」
「マリアは本当に崇が好きだよな?」
「うん、大好き」
「・・・・・・」

そしてマリアちゃんの無邪気な答えに、悲しいことに撃沈して終わった。
やっぱりマリアちゃんは無敵です。









「あ、帯刀さん。おかえりなさい」
「夕凪、ただいま。外出禁止と言ったはずなのに、どこ行ってたの?」
「お隣ですから、安心して下さい。咲ちゃんとの仲を深めてきました」
「それなら構わないけどね。でももうすぐ神子殿達が来るのだから、急いで仕度をしなさい」

龍馬と南方先生とチナミちゃんは先にゆき達の所に行ってしまったため、自動的に一人で帰ると玄関先で帯刀さんと合流してしまった。
危うく雷が落ちそうだったけれど、本当のことを言うと雷は落ち着く。
いくら外出禁止でもお隣さんで親友との交流が目的であれば、帯刀さんならば多めに見てくれると思った。

「はい、分かりました。どんな着物が良いと思いますか?」
「なら私が選んであげる」
「本当ですか?じゃぁ早く行きましょう」

帯刀さんの言われた通り着替えるつもりでいたけれど、私がこう言う時に着る物は決まってるため帯刀さんに助言を求める。
すると帯刀さんが選んでくれることになって、仲良く帰宅。
四神達が出迎えてくれるものの、帯刀さんが一緒だったので静かに戻っていく。




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