夢幻なる絆

□13.新しい選択
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「お兄ちゃん、おはよう?」
「おはようマリア。頭は痛くないか?」
「うん、痛くない」

目が覚めるとそこは私とお兄ちゃんが借りている部屋で、私は訳も分からず近くにいたお兄ちゃんに挨拶をする。

なんで私はここにいて、朝になっているんだろうか?
私は確か・・・
凪がいつもと違って龍馬の次にお酒を沢山呑んでいて止める帯刀の言うことも聞かないていると、お兄ちゃんが不安になるようなことを言うから私は無理矢理凪のお酒を奪って呑んだ。
それで気づいた今がある。

「それなら良かった。お前にはまだお酒は早い。もっと別の方法があっただろう?」
「・・・ごめんなさい・・・」
「だけど今凪さんのために、やっただけなんだよな?今回だけは大目に見てやるから、そんな悲しげな顔をするんじゃない」

起きる前の記憶を思い出しているとお兄ちゃんに一度は怒られちゃんと謝ると、今度はいつもの優しいお兄ちゃんに戻って私の頭をくしゃくしゃになぜ抱きしめる。
またお兄ちゃんは私を許してくれた。
私の大好きなお兄ちゃん。

「ありがとうお兄ちゃん。凪の赤ちゃんは大丈夫?」
「ああ。凪さんのことだからもう昨夜みたいなことは絶対にしないよ。あの後凄く反省してたからな」
「それなら、良かった」

私の気持ちがちゃんと凪に伝わりホッとする。

凪には元気な赤ちゃんを産んでもらいたいから、どうしても止めたい一心でお酒を呑んでしまった。
お酒は大人になってからでまずいことは知っていたけれど。
もう二度とお酒は呑まない。

「それじゃ、広間に行くか?凪さんと帯刀さんももう起きているだろうから」
「うん、行く」

お兄ちゃんの言葉に私は身なりを整え、すぐに広間へと向かう。




「マリアちゃん、昨夜はごめん。頭は痛くない?」
「うん、大丈夫」

広間にはお兄ちゃんの言った通り凪と帯刀それから顔色の良くない龍馬がいて、私と視線が合うなり凪は謝りお兄ちゃんと同じことを聞く。
どうしてそう言うことを聞いてくるのかは分からない・・・そう言えばお兄ちゃんと帯刀は酔っぱらいになった翌日頭痛がすると言う。
龍馬もそんな感じだ。

「それなら良かった」
「酔っぱらいになると、二日酔いになる?」
「そうだよ。龍馬を見れば分かるでしょう?」
「うん」

安堵する凪に思ったことを聞いてみると、思った通りの答えを言い龍馬を指さす。
確かに龍馬を見ればよく分かる。
こう言うのが二日酔い。

「龍馬さん、大丈夫ですか?」
「・・・昨夜はさすがに呑み過ぎた。今梅に生卵を用意してもらってる」
「そうですか。お大事に」

しゃべるのもつらそうな龍馬にお兄ちゃんはそれ以上言わなかった。
私も心配だけれど、二日酔いは自業自得だからほっとくことにする。
だけどなぜ生卵なんだろうか?
卵は焼いてせいぜい半熟で食べる物。
私は生卵は好きじゃない。

「そんな馬鹿はほっと来なさい。それよりマリアくん、頼みたいことがある」
「何?」
「今日一日夕凪が敷地外へ出ないのと、暴れないよう見張ってて欲しい」
「うん、良いよ。凪は怪我人だから、今日は安静にしないと駄目なんでしょ?」
「なんかその言い方酷いですよ?言われなくても大人しくしてます」

と帯刀から頼まれ私は頷くと、凪は頬を膨らませ意見する。

私は凪に失礼なことを言ってしまったんだろうか?
それとも帯刀?




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