夢幻なる絆

□12.護りたい者のため
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「・・・クロ、そう言えば以前四神の力で合わせ世に融合する時期を100年遅らせられると言っていたよね?」
「ああ。そのぐらいであれば可能だ」
「だったら渓。それで手を打つって言うのはどうだろう?」
「はい、俺もそのつもりでいました。こちらの要望だけを押しつけるなんて、出来ませんからね」

何かを見失い闇の中へ落ちていく私を帯刀さんは抱きしめてくれ、私達が生き残れる手段を見つけ渓と交渉しあっさり成立。
でもそれと引き替えの代償はあまりにも大きすぎて、素直に納得出来ない物だった。
帯刀さんのさっきの言葉は本気だから、私が迷ってしまう。

そんなことが本当に許されることなの?
何十億人が犠牲にしても、罰は当たらない?
でも私は・・・。

「なあ四神。みんなが助かる方法は、本当にないのかよ?」
「龍神が本来の力を取り戻せば我々の力と合わせれば渓とマリアを元の時空に戻せる可能性がありますが、凪に関してはまだ何もいい方法が見つかっていません」
「龍神が本来の力を取り戻す?そんなことありえるのか? 」

龍馬の問いに渋々とシュウちゃんが新たな既望を口にするけれど、私にとっては何もメリットがなく問題は解決にはならない。
ただそれは渓も知らない方法だったらしく、険しい顔に代わり何かを考え始める。
もしそれが可能ならば、今度は私が邪魔者。
私さえ我慢すれば、問題はすべて解決。

「今の白龍はとてつもなく弱っている。相当に難しいことだろう」
「凪、最後まで諦めてはいけないよ。我は何があろうと凪の味方。堕ちぶれたと言われたとしても構わない」
「もちろん私もだ。凪の幸せも子の幸せも、必ず守って見せる」

たまに神らしくないことを本気で言って、私を安心させてくれる。

そんなことしたらダメなのに、本当にしょうがないんだから。
でもありがとう。
今のですごい勇気が出た。
運命は自分で切り開くものだよね?

「うん、私の諦めない。親子三人で幸せな未来を迎えたいから」
「そうだね。私も夕凪を見習って、何事にも前向きに考えるよ」
「一緒に頑張りましょうね」

私の前向き発言に帯刀さんは協力してくれ龍馬ご希望の明るい未来を目指すことになったけれど、マリアちゃんはまだ浮かない表情を浮かべていて南方先生は呆気にとられ言葉を失っている。

南方先生には、爆弾級の話だったに違いない。
時間が必要かも?

「・・・そしたら祟は、私と一緒に来てくれる?」
「もちろんだよ。マリアちゃんと一緒ならボクはどこだっていくよ」
「ありがとう祟」
「そう言うことなら、俺もできる限りのことをしてみるよ」

マリアちゃんの浮かない原因は祟くんのおかげで可愛らしい笑顔を浮かべ、渓もマリアちゃんが絡めば反対するはずもなく協力的になりこちらも問題解決。

「それで白龍が本来の力を取り戻すには、一体どうすればいいんだ?」
「怨霊を封印すれば、五行の力は増す」
「封印の力は四神の神子である凪にも可能です」
「そうなんだ。なら二手に・・・ゆき達にも言った方がいいのかな?」

私の新たなるまともな力がわかり嬉しく思いながら、ゆき達のことをなんとなく触れて見る。
こうなった以上、敵対する必要はない。
でも今さら私が言っても信用は・・・この時空はまだそんなに関わってないから大丈夫?

「それはまだ待って下さい。まだこれは可能性の話であり、絶対ではないのですから様子をみた方がいいかと」
「渓はずいぶん慎重だね。でも確かにそうかもしれない」

私と違って必要以上に慎重な渓と帯刀さんらしい反応に、しばらくこの件については様子見となった。



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