夢幻なる絆

□11.真犯人は誰?
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「マリアちゃん、その真紅のワンピース凄く似合っているよ」
「ええ、本当ですね。湛渓様にもこの姿を見せたいぐらいです。ですがその姿の場合やはり・・・」
「え?」

祟が選んでくれた祟好みのフリルの着いたワンピースを試着して見てもらうと二人そろって私を誉めてくれて、店員は私の元に近づきそう言いながらポニーテールをまとめ薔薇のコサージュを付けてくれる。
鏡に映る私は、いつもと違う。

「この方が大人っぽく見えますよ。祟さんもそう思いますよね?」
「うん、そうだね」
「あ、そうだ。これ着て帰ってお兄ちゃんにも見せる」
「それは良い考えですね。それではこの着ていた服は袋に入れておきます」
「店員、ありがとう。この服いくら?」

お兄ちゃんにもこの姿を見せたくなったからフッと思いついたことを言うと、店員はそう言って元の服を綺麗に畳みショッピングバッグに入れてくれた。
私はお金を払おうとすると、祟がそれを止める。



「ボクが、払うから良いよ」
「え、だって祟にはさっきタカシを買ってもらったから、これは自分で買う」
「タ・カ・シ?・・・まさかぬいぐるみの名前?」
「うん。祟って言う漢字はたかしとも読むからタカシにした。・・・駄目?」

祟とお揃いの名前にしたくて考えたらその名前が思いつたのだけれど、そう言う時は本人に許可をもらわないといけなかったのだろうか?
そんな大事なこと今さら分かってもし駄目と言われたら、残念だけれど名前を変えよう。
こんなことで祟を嫌な思いをさせたくない。
そんな不安に思いながら、恐る恐る尋ねる。

「駄目なんかじゃない。凄く嬉しいよ」
「ならよかった。だからここは・・・」
「だったらこれはちょっと早いけれど、ボクからのクリスマスプレゼント」
「クリスマスプレゼント?・・・それはサンタにもらう物だけれど・・・」
「え、サンタ?あうんそうサンタにもらう物だね。でもボクもあげたいからね」
「分かったありがとう」

でも祟は首を横に振りいいよと言ってくれたから、イマイチ納得はいかないけれどもらうことにした。
きっとその方が祟にとっても嬉しいだと思う。

私はまた祟に買ってもらった。
嬉しいけれど買ってもらってばっかりなのは悪いから、私も祟に何かプレゼン・・・そう言えばもうすぐ祟の誕生日だ。
誕生日プレゼントをあげよう。

誕生日プレゼント。
それは大切な人の誕生日にあげるプレゼント。
毎年お兄ちゃんにもらっていて私はあげたことがないけれど、今年はお兄ちゃんと祟とコロにあげるつもりだ。
私の大好きな人達だから。
でも・・・さっき見たく安道那津を作ってプレゼントするのは違うと思う。

「店員、プレゼントは何をあげれば良い?」
「あ、ボクちょっとみたい物があるから、少しだけここで待っててね」
「?うん、わかった」

何をあげて良いのか分からないから店員に聞いてみるなり、祟はそう言って私が頷くと同時に急いでどこか行ってしまった。
明らかに様子がおかしい祟に違和感を覚える私だけれど、店員はおかしそうにクスクスと笑い出す。
理由を知っているようだ。

「祟さんは可愛らしいですね。気を使ったんでしょう?」
「気を使う?なんで?」
「きっとプレゼントの中身を知りたくないんですよ」
「そうなんだ」
「ええ。それでプレゼントですが、マフラーなど編んでみてはどうでしょうか?愛情を込めて編めば、きっと大喜びです」
「わかった。ならそうするから、道具を売って」

私には分からない感情でも教えられてなんとなく理解し、店員に教えられた通りマフラーを編むことにした。

編み方よく分からないけれど、祟が喜んでくれるなら頑張れると思う。
祟にあげた婚約指輪のように・・・。



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