夢幻なる絆

□11.真犯人は誰?
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「え〜と確かこの中にあったはず・・・」

自室へ戻りリュックの中から目的の物を懸命に探す。
思えばここに来てから一度も出していなかったし整理もしていなかったため、かなりグチャグチャになって見つけるのも一苦労。

これからは母親になるんだから、こう言うこともしっかりしていかないとね。
尊敬できる母親にはなれるはずはないけれど、せめて普通の母親ぐらいにはなりたい。
それでも相当努力しないとダメだけど・・・。

「あ、あった。これだ」


「夕凪、愛してる」
「え、あっ?」

ようやくお目当てのものが見つかり説明書をよく読もうとした瞬間、突然背後から強く抱き締められ耳元でささやかれると激しく口づけされる。

帯刀さんの激しい口づけは痺れてしまい考える機能が低下して、なんでこんなことをされるのかどうでもよくなりそれ以上を望んでしまう。
幸い布団はすでに引いてあり、問題ない。
だけど私は帯刀さんの悲しげな顔を見て、すべてを分かってしまった。
だってこう言う時にそんな顔しないから。

私、もうすぐ元の世界に戻るんだ・・・。

「すみません」
「どうして謝るの?」
「私のせいでまた辛い思いをさせてしまうから・・・」

こう言う時を何度体験してもなれるはずもなく、私の顔から笑顔が消え涙を堪えて謝った。
今回はいつもより長くいられたからいつも以上に別れはきつい。

離れたくない。
でもそれは帯刀さんも同じなんだから禁句の台詞。

「それはお互い様。だいたい私より夕凪の方が甘えん坊で寂しがり屋でしょ?だから今は思う増分甘えなさい。何して欲しい?」
「その言い方ズルいですよ」
「そう?なら聞かない」

私のことを良く知っているこう言う時でも試すような言い方をしてきて、こうやって私の嫌がる反応を見て満足げに微笑み布団の上に押し倒す。
結局最初からそれを望んでいたのは帯刀さん自身。
私もだけれど。

「帯刀さんだって本当は甘えん坊さんじゃないですか?」
「私の場合は、夕凪にだけ。前から言ってるでしょ?」
「そうですね。なら今は帯刀さんが私に思う存分甘えて下さい。・・・何をされても構い・・・ッつ!!」
「言われなくてそうするつもりだよ。私の可愛い妻」

ついつい調子に乗って誘うような台詞を言ってしまうと、早速首筋に刺激が走り胸を強くもまれ快楽が襲う。
いつも以上に感じるのはやっぱり断ち物をしていたから敏感になっているのかも知れないし、しばらく逢えなくなるから覚えておこうと必死になっているのかも知れない。
どちらにしても今は特別。

「・・・あっ・・・も」
「どうして私の妻の体は穢らわしくて急かせるの?もうこんなに出して、そんなに私が欲しい?」
「・・・当たり・・・前じゃない・・・ですか?」
「当たり前ね。だったらこれはどう?」

まるで私を獣のように言う帯刀さんだけれど楽しそうに見え、指を二本私の中へグッと入れ遊ばせる。
それがまた気持ち良い。
でも私はこれ以上を望んでいて、帯刀さんの帯に手をかけ素肌を晒す。
私も素肌を晒されでもここまで来たら恥ずかしいと言う気持ちは少しもなく、私達はそのまますぐに一つになって最上級のを確かめ合う。
帯刀さんの物が私の中で噴射される度に私は幸せを感じ続けるけれど、それは長くは続かなくてブレスレットが輝き始めてしまう。

「夕凪、愛してる。どんな時でも私は君だけを想っている」




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