夢幻なる絆

□11.真犯人は誰?
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「おっさん、もう辞めなよ。おっさんの悪事はすべてばれてるんだよね?」
「何を言ってる?」

なんだか馬鹿らしくなりもう少し様子見をしようかと思いっていたけど面倒になり、深いため息を一つつきネタバレ開始をする。
おっさんは眉間にシワを寄せ私を睨むけれど、目の奥は脅えていてもうすぐ決着はつくはず。

「自害したとされている彼女は、実はまだ生きていて我が家で女中見習いとして働いてるの。だから彼女は罪を軽くするため、あんたとのやり取りをすべてを暴露した訳」
「うっ・・・あやつはどうして私の邪魔をする?」
「あんたが南方先生の邪魔をするんでしょうが!!出生しといて、逆恨みでしかない復讐なんてバカじゃないの?」

ようやく本性を現し凶変するがまだ南方先生のせいにするおっさんに、頭にきた私はすかさず図星でしかない突っ込みを入れる。

「なんだと?」
「南方先生は天才で今の日本にはなくてはならない存在なの。あんたみたい最低な奴が人の命を救う医師の資格なんてない」
「なんだと?貴様みたいな奴に、私の何がわかるんだ?こうなったら私と一緒に道ずれだ」

ついにイカれたおっさんはそう叫び懐から短剣を出し私めがけて襲いかかろうとするが、そんなこと出来る訳もなくクロちゃんに呆気なく食い止められる。

「私達の神子に何をする?それすなわち我ら四神を敵に回すことになるぞ?」
「ひ紐がしゃべ怨霊?さてはお前は鬼か?」
「鬼は貴様だろう?」
「愚かな人の子。許しておけませんね」
「これは、お仕置きが必要なようだ」

クロちゃんを驚き暴言をはくおっさんは言うまでもなく逆鱗に触れ、四神達は一斉におっさんに襲いかかり手加減なしのボコボコにされ気絶。
生きているかは不明である。
神様達まで怒らすおっさんは、いろんな意味ですごいと思う。


「外見は愛らしくても神様は神様なのですね」
「・・・はい。これでも完全ではないんですよ」
「そう。それにしても四神達は凪さんが本当に大切にしてることがよくわかります」
『無論』

あまりの惨劇を目の当たりにして唖然となっていた和宮様は我に戻り、さっきとは違い四神を尊敬の眼差しで見つめながら感心していた。
怯えている様子はまったくなくて、私の答えに微笑みを浮かべた。
誇らしげに四神達は頷きあっさりなごやかムードに戻るのだけれど、渡り廊下から足音が聞こえたと思ったら帯刀さんが勢いよく入ってくる。
そしておっさんを見た途端、肩をガクンと落としため息をつく。
何となく予想はつき苦笑する私。

「これはまた想像以上に暴れたね。それで彼は生きてるの?」
「生きているが、感情はなくしてる。ただ生きる屍」
「凪を鬼呼ばわりした当然の報い」
「帯刀だってあの場にいたら、我らと同じことをしていた」
「生け捕りにしただけいいではないしょうか?」
「・・・・・・」

四神達の怒りは収まらず当然だと揃いも揃って主張する。
こう言う時のシュウちゃんが一番怖い。

「そうだね。今回だけは多目に見てあげる。宮様お怪我はありませんか?」
「あはい」
「それなら良かったです。君達はこの馬鹿をに引き渡しておきなさい」
「承知しました」

当たり前のように私よりも和宮様の方を心配して無事と分かれば、渡り廊下で待機していた藩士にそう言いい失神したまま連行される。


「では私達もこれで失礼します。夕凪行くよ」
「はい。和宮様、ありがとうございます。・・・今度は本当に遊びに来ますね?」
「ええ、お待ちしております」

本当はもう少しいたかったんだけれど南方先生と咲ちゃんに会うことが先決でそう言うと、和宮様は本当に嬉しそうに微笑んでくれ私達を見送ってくれた。



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