夢幻なる絆

□番外編3
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凪、恋愛について語る。



「ここが龍馬が修業してた場所なんだね」
「ああ、そうだ。そしてお嬢と出逢った場所でもある」
「龍馬の青春時代ね」


帯刀さんが緊急の政務になってしまった代わりに、私はシロちゃんと龍馬の案内で品川に訪れていた。
そして龍馬オススメの茶屋で一服しながら、たわいのない会話は弾む。

ここは喉かな風景が広がっていて、ひなたぼっこしたら気持ち良さそうだと思う。


「まぁそう言うことだ。それにしても帯刀は災難だよな。せっかくの旅行だって言うのによ」
「仕方がないよ。帯刀さんは優秀な人材だもん。だけど今朝の帯刀さん目茶苦茶ご機嫌ななめで、迎えに来た藩士達を脅えさせてたんだよね」
「た帯刀らしいな」


ちょっと残念に想いながら今朝の一見を話してみると、龍馬は額に汗をたらし苦笑しそう答えた。

龍馬には分かったらしい。
旅行中は絶対政務はしないと言い張っていただけに、ものすごい帯刀さんは拒否をしてたんだけど結局引き受けざることになったんだよね?
おかげで昨夜なだめるのに苦労した。
絶対途中からわざとやってたに違えない。


―我は今日に感謝してる。小松帯刀がいると我は札で移動させられる。しかもだ以前放置していた奴が、今では持ち歩いとる。我は凪に持ち歩いてもらいたい。
「そりゃぁ無理だろう。お前帯刀にいろんな意味で、信用されてないからな」


しかしシロちゃんは喜んでいて日頃のうっぷんをぼやくのだが、あっけなく龍馬から真実を言われてしまう。
私も龍馬と同意見だったから、何も言わず黙っている。
可愛そうでなにかしてあげたいと思うけれど、私には悲しいことに何も出来ない。
せめてもの罪滅ぼしになるのか分からないけれど、シロちゃんを抱き上げ膝に乗せなぜる。


―・・・。だから今日は心行くまで楽しむ。
「そうだね。龍馬の恋ばなもいっぱい聞きたい」
「なんで俺ばっか・・・お前達の恋愛事情は見飽きてるししょうがないか」
「やった!!」


シロちゃんもそれは分かってるようでなんとか解決して、私は次なる話をするとこっちもすんなりまとまる。
多少言い方が気になる物の、深くは追求しない。


「俺にとってお嬢は、凪の帯刀みたいなもんだな。なんでも分かっていてくれて、一緒にいるだけで楽しかった」
「やっぱり自分を分かってくれる人に、自然と心惹かれるんだね」
「そうだな。今思えばひょっとしたらお嬢は凪と同じ未来人だったから、いきなりあの時消えたのかも知れないな」
「未来人か。となるとタイムスリップは頻繁にあるのかな?」


龍馬の予測を聞いて、私なりの予想を立て疑問に思う。

南方先生も未来人だし。
学界で発表したら私は有名人になれるだろうか?


「タイムスリップって、確か時空移動のことだったよな」
「うん。そしたら下関近くで出逢った当時の姿の彼女だったて言うのも説明が着くよね?」
「そうか。凪お前頭いいな。お嬢がいなかったら、俺はお前を好きになってたかも知れん」
「え?」


いきなりの架空である告白に、私は驚き頬を赤く染めて動揺してしまう。

帯刀さん以外に私を好きになってくれるいたって言うこと?
しかも帯刀さん同様超イケメン・・・。
信じられない。


―坂本龍馬、何を言う?撤回しろ今すぐに
「シロ、どうした?・・・げっ帯刀・・・」
「え?」
「夕凪、行くよ」


顔色を真っ青にするシロちゃんを不信に思うのもつかの間、なぜか帯刀さんが現れ私の腕を痛いぐらいに捕まれる。
何もやましいことはなかったけれど、なりかけたのは事実。
嫉妬深い帯刀さんなら無理もない。


「帯刀、誤解するなよな。今のはもしもの話だ」
「誤解はしてない。私が怒ってるのは夕凪の反応。まったくどんなに私が愛情を注いでも分かってくれない馬鹿女」
「うっっ・・・いくらなんでも酷いですよ」


相変わらず酷い真実をためらいもなく言い捨てる人。
私は真実を言えども、反論する。
それにもうちょっとソフトに言って欲しい。


「そうだぞ。帯刀は本当に凪を愛してるのか?」
「愛してるよ。そんな馬鹿女でも嫌いになることが出来ない、私は馬鹿男だからね」
「阿呆らしい。俺は帰るから後は二人で仲良くやってろ」
―我も札に戻ろう。


マゾなのか溺愛なのか少なくても危ない発言に、龍馬とシロちゃんは馬鹿らしくなったのかそれぞれそう言ってあっと言う間にいなくなってしまった。
残された私達。

これって気まずい?


「馬鹿女に馬鹿男。私達はお似合いの夫婦だと思わない?」
「・・・帯刀さんは馬鹿男じゃないですよ。誰が見ても最高に優秀な男性で私の旦那さんです」


帯刀さんが馬鹿男なら、大半の男達は馬鹿男に違えない。


「だったら夕凪も馬鹿なことをしないで、今は私のことだけを愛しなさい」
「ですよね・・・。でもさっきは思わぬ展開だったからついあんな反応しちゃっただけで、本当に告白されたら迷わず断ります。私が世界中で一番愛してるのは、夫の帯刀さんだって」
「そう?だったら嬉しいんだけど」


まだ少し機嫌が悪くきついことを言うから、私はクサくそして恥ずかし過ぎる台詞を迷いなく言って帯刀さんに抱き着く。

すると帯刀さんは、笑顔になり口づけをくれた。


帯刀さんは私の命よりも大切な人。
優柔不断でどうしようもない私だけど、これだけは絶対と言い切れる真実だから。



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