FRAGMENT

□8章 素直のままで
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お前はどうしてオレの予想外の行動ばかり取るんだ?
こんな女初めてだ。
いつもオレは梓に振り回されてばかりの、情けない奴になってしまう。
だけどオレは好きだよこう言うの。
退屈しなくてすむからね。
でも今は。

「駄目だよ。それ以上言ったら、オレ獣になるからね。それでもお前は良いのかい?」

抱きしめたい気持ちを押し殺して、梓の肩を持ち引き離す。
本当は抱きしめて、今すぐにでも一つになりたい。
オレだけの女にして、もう誰にも触れさせたくない。
でもそれは梓がちゃんとそう言うことを理解する時までは、その一線は越えてはいけないんだ。
梓のことこれからも大切にしたいからね。

「それでも良いから、お願い」

しかしそんなことを知る余地もない梓は、そんなことを愛らしい声でだだをこねる。
瞳には涙を浮かばせ、オレの一番弱い梓の姿。

お前はオレを誘惑してるのかい?
駄目だよ。
そんなことしたら、オレの理性が完全に失ってしまう。

けどそれはもう遅かった。
穢れたオレの心が体を支配する。
手が勝手に梓の股に入り込んでいた。

「ヒノエ?」
「良いんだろう?獣になっても」

目を丸くしオレを見つめるが、次第に吐息が荒くなり頬を赤く染めた。
やっぱり梓もこれには感じるんだね。
ちゃんと出る物が勢いよく出てくる。

「私なんか変だよ。おむらししてる」
「良いんだよ。これはねこう言う時出るんだから。男の大好物な蜜だからね」

そう言って梓を優しく布団の上に押し倒し、梓を強く抱きしめる。
あの時と同じ状態になりつつあるが、あの時とは違う。
オレは本気だからね。
でもこうなったらもう歯止めがつかない。
行き着くとこまでやるだけ。

「やだ。やめて………」

愛らしい声が、愛らしい悲鳴に変わる。
表情も苦痛の中にいくらか安らぎがある。

こんな梓今まで見たことがない。
やっぱり梓は最高だね。
まだ手始めなのに、こんなにもオレは満たされ体中が熱くなっている。
もっと満たして。

そして限界を感じさせて。




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