夢幻なる絆
□8.闘いの仕方
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「そうですね。これが四凶の札です」
「そしてこっちが四神の札。そっくりで見分けがつかないよな?」
すぐに報告が始まりアーネストと龍馬はポケットから札を取りだし、テーブルに四神の札二枚と四凶の札三枚に分けて置く。
龍馬の言う通り確かに見た目はそっくりで見分けがつかないけれども、私にはすぐに違いが分かった。
急に不気味な気が四凶の札から流れ始めた途端、私はすぐに体の異変に感じ苦しむことになる。
体が一気に鉛のように重くなり怠さも感じたと思えば、今まで普通に出来ていた呼吸が上手く出来なくて苦しくなりその場に倒れ込む。
自分の体なのに自分の体ではないみたいだ。
「夕凪、しっかりしなさい」
「凪さん、大丈夫ですか?」
そんな弱った私を帯刀さんは抱きかかえ必死に呼びかけ、南方先生は私の脈を取り計り出す。
とにかく苦しくて、痛い。
私一体どうしたんだろう?
・・・四凶の札が原因?
「可愛そうに。四凶の札から微かに流れる邪気に当たったのだな。今の凪は我ら以上に体力が弱っているのだから、ほんの少しでもまともに当たってしまう」
「そう言うことは早く言いなさいと、いつも言ってるでしょ?」
「すまない・・・我も気を読み取るのは困難な上、情けなくも何もできない。今の我は愚かで役立たずの神」
不意に私が思った通りの予想をシロちゃんは親身になり教えてくれたけれど、その言い方が気にくわなかったのか帯刀さんは恐ろしい声で怒るとシロちゃんはシュンと小さくなり、自分はそんなの悪くないのに謝罪する。
痛みもほとんどなくなって気分もよかったから大丈夫だと思ってたのに、まだそんなに体が相当弱っていたんだ。
自分のことなのに、気づかなかった。
確かにあの時私は天海に殺されかけたのだから、外傷だけでじゃなくって精神的にもダメージを喰らったと考えるのが当然か。
・・・・・・。
・・・・・・。
「なら四凶の札はしまって、俺達だけで別の部屋で話し合おうか?」
「それがいいですね。四神の札は置いといた方がいいですね?」
「そうだね。夕凪には後で話すから、今は何も考えず寝なさい」
「ゆっくり安静にしてれば、すぐにまた元気になりますよ」
「・・・はい、分かりました。みんな、ありがとう」
私のことをみんなで気を使ってくれ、龍馬は四凶の札をしまいアーネストは四神の札をまとめて置き直し帯刀さんは私を再びベッドに寝かしつけ頬にキスをしてくれた。
みんなの優しさが涙が出るほど嬉しく、そして辛くて悲しくもなる。
「シロ、何かあったらすぐに、私か南方先生に知らせるんだよ」
「分かっている」
最後に帯刀さんはシロちゃんにそう言い聞かせれば、シロちゃんは胸を張って答えると四人は部屋から出ていった。
私はただの足手まといだ。
今まではそれでも良かったけれども、これからが本番で戦いは段々激しくなっていく・・・。
なのに私は今は何も力を持ってないから、戦ったって簡単にやられてしまう。
かと言って護られる女性にだけは、なりたくはない。
これ以上みんなにも帯刀さんにも迷惑を掛けたくないから、今度こそ私は・・・。