夢幻なる縁

□1章 二代目四神の神子
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「帆波先輩がどうしてここに?」
「ここが私の家だから」
「!?」

 龍神の神子様達ご一行様がやって来て広間に通され、ご対面と言う場面で梓が驚き声を張り上げ指を指される。
 人の悪い私は笑顔で意地悪で当たり前すぎる答えを返す。今度は声にならない驚き声が聞こえるようで、おかしくてクスクス笑ってしまう。

「帆波くん、お久しぶりです。梓くんと知り合いだったのですね?」
「あ、秋兄。簡単に言えば、学校の後輩かな? 秋兄は龍神の神子の八葉?」
「ええ、まぁそのようなものです」

 ネタバレする前に秋兄のこと片霧秋兵さんに声をかけられ、まずはこっちを対応する。

 秋兄のお父さんと叔父さんが帝国軍の同僚で眞佐之お兄ちゃんと秋兄が同い年と言うこともあり、一族ぐるみの付き合いで昔は良く遊んでもらっていた。
 なので私がいるのは最初っから予想はしていたろうし、おじいちゃん達はすでに知っていたんだろう。
 ただ流石に梓と私が知り合いなのは知らなかった見たい。私も秋兄と梓がつながっていたなんて夢にも思わなかった。

「高塚と君が学友? だが高塚は異世界」
「だから私は四神の力を借りて、異世界に留学してるんです」 
「そんなことが出来るのか?」
「はい。と言ってもそんなまねが出来るのは、私とおばあちゃんだけですが」

 秋兄と同じ軍人らしき短髪の頑固そうな男性が適切な突っ込まれ、これから私も仲間になるのだから真実を軽く話す。
 その意味を理解してくれたのか辺りはざわめき緊張が走り、信じてくれた人と疑っている人が半分と言う所だろう。

「この事はくれぐれも内密にして下さい。帆波は私の可愛い孫娘です。もし帆波を利用する愚か者がいたら、私が全力で私が潰します。いくら現役から遠ざかっているとは言えそのぐらいは容易いことですからね」

 と世にも恐ろしい笑顔で悪役さらながらの台詞で釘を打つ。
 私にちょっかい出すなと言う警告も含まれているだろう。

「帯刀も人が悪いな? どうしてそう言う大切なことを黙ったたんだ? まさか俺が鬼だから信用」
「信用するしない以前に、言う必要がなかったでしょ? 鬼と人の共存政策に、孫娘の秘密はまったく関係がないと思うのだけれど」
「そそうだね? 俺が悪かった」

 おじいちゃんと面識があるらしい金髪の男性は悲しげな笑顔になり意見するけれど、おじいちゃんの方が上手のようで正論を躊躇なく言われ退かせる。

 鬼と人の共存政策。
 相変わらずおじいちゃんは今より先を見据えて考えてる。
 確かに異能を使う鬼は怖いかも知れないけれど、何もそれで人に危害を加える鬼は少ないはず。
 まぁ大昔は鬼と人との対立が耐えなかったらしいけれど、今なら話し合えばきっと分かり合える。私も微力ながら手伝いたいな。

「それはともかく、あなたが凪さんから四神の神子を継いだって言うのは本当なの?」
「そうです。明日から私も皆さんの仲間に加えて下さい。私の名前は藤原帆波と言います」

 本当に可愛らしい緑髪のお下げの子が話を戻してくれる。
 萌えキャラの外見とは違いしっかりしていそうで、お洒落には気を使っている見たいで女の子らしい子。
 おばあちゃんが熱を上げるのも無理がない。



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