短夢堂

□ヒロインにきいてみよう!3
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【共通シナリオ】


「この間のアンケートは集まりましたか??!」


久しぶりに職員室に現れた冴島先生の前に、教頭先生が立ちはだかりました。


イライラしたように眼鏡をクイッと上げる仕草に、冴島先生もイラッとしたように返します。


「問題なく集まりましたよ」


冴島先生の手にあるアンケートの束を見た教頭先生は、満足そうにニヤッと笑います。


「それはよかった。何しろ先生のクラスは何をやらせても最下位ですからね」


心配してたんですよ。


居丈高に笑う教頭先生を睨み付けた冴島先生も、同じように笑い返します。


「それはそれは、ご心配をおかけしました」


バチバチッと見えない火花が、両者の間に飛び散ります。


先に目を反らしたのは教頭先生でした。


「じゃ、後で提出してくださいね」


フンとでも言いたげに体を反転させた教頭先生は、そのまま歩き去って行きました。


ッチ。


残された冴島先生が舌打ちをします。


そんな先生の傍にやってきたのは、隣のクラスの担任でもある、現国の武井先生でした。


「先生のクラスの生徒さんは、どんな事を書いてましたか?」


穏やかに笑う武井先生。


「まだ見てませんね」


「そうですか。うちのクラスの子は、割と普通な事を書いてましたよ」


「例えば?」


「ゲームだとかパソコンだとか。部活やってる子は、それの関わるものだったりですね」


「うちも似たようなモンでしょう」


「そうでしょうか?」


首をかしげた武井先生を、冴島先生が見下ろします。


「先生のクラスには御堂さんが居ますし、一芸クラスですから、個性的な回答も多いと思いますよ」


ニコニコと笑う武井先生に押されて、冴島先生は自分のデスクに座らされます。


隣に座った武井先生が手元を覗き込んでくるので、用紙の束を半分渡しました。


「じゃ、こっちから見てくださいよ」


冴島先生は、パラパラと用紙をめくりました。


紙には


―――「意識調査書」


と書かれています。


項目はたった一つ。


―――「今、一番ほしい物は何ですか」


―――「理由もあわせて、書いてください」



先生が見る限り、どの生徒も似たり寄ったりの回答です。


しかし日ごろ頭を悩ませる寮生はというと



*龍海:矢沢の使用済みタオル
 理由:男の勲章だから

*吾妻:オジャママロのストラップ
 理由:ご当地モノで集めてるから

*榊 :声量
 理由:もうちょっと声に伸びが欲しいから☆

*藤堂:アップルマンゴー
 理由:リンゴの味がするっていうから

*水瀬:ライダーブーツ
 理由:擦り切れてきたから


真っ当な回答のような、そうでもないようなモノばかりです。


うんざりとため息を吐き出したところで、先生の指が止まりました。


学園の紅一点、御堂沙也加の用紙が出てきたからです。


可愛い教え子で、しかも紅一点。


先生の指が慎重になります。


しかし、そこで先生は思いました。


クダラナイとばかり思っていたこのアンケートに、意義を見つけたような気がしたのです。


回答によっては、買ってやらなくも無い。


そうだ。そうしよう。


だって俺は大人だし、経済力はそこら辺のガキよりあるじゃないか、と。


沙也加の一番欲しいものをプレゼントして、一気にハートを鷲掴みにするのも悪くない・・・


いや、むしろそうするべきなんじゃないのか。


ひらめいた名案に、先生の口元が緩みます。


そうと決まれば、サッサと回答を見てからショッピングに行かなければなりません。


先生は、ルンルンと言いたい気持ちをグッと堪えて、沙也加のアンケートに目を落としました。








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