短夢堂U
□ヒロインにきいてみよう!5
1ページ/4ページ
【共通シナリオ】
沙也加を除く寮生たちと梅さんが、食堂に集まっていました。
「なんだよ夏男。全員集めて…」
亮二の不機嫌な声に、梅さんはニッコリと笑いました。
「もうすぐハロウィンでしょ?月末にパーティするから、役割分担を決めたいのよ♪」
梅さんの一言に、全員が「うげ」という顔をしました。
去年のハロウィンパーティーを思い出したのでしょう。
寮生の頭の中を駆け巡ったのは。
パーティと言うよりは、むしろ…
阿鼻叫喚とか、
恐怖の館とか、
百鬼夜行とか、
妖怪大戦争とか、
最後の晩餐とか、
そんな風な…
二度と思い出したくもないし、関わりたくもない宴の記憶でした。
全員が何となく、一歩下がります。
そんな彼らを見て、梅さんが怖い声で言いました。
「下がってんじゃねぇよ」
強制的に前に一歩立たされた面々は、うんざりしたように俯きました。
梅さんは、そんな彼らを無視して言いました。
「ま、アンタたちがウンザリするのは分かるわよ?だって、年頃の男の子ですものね♪」
「「「「「そんな問題じゃねぇよ!!」」」」」
全員が突っ込みました。
…心の中で。
そんな善良な寮生の心の声が聞えない梅さんは、ニコニコしながら続けました。
「でも今年は沙也加ちゃんもいる事だし、ちょっとでも寮生活を楽しんでほしいから、今年もヤッちゃう事にしたの★」
ヤッちゃう、という響きに、良からぬ事が頭をかすめましたが。
その一言で、彼らの顔付きがガラリと変わりました。
「そっか、そうだよね♪」
晃の声に、全員がうんうんと肯きます。
「沙也加がいるなら…惨劇にはならない…かもな?」
「少なくとも、かなりマトモなパーティにはなるんじゃねぇか?」
零と啓一朗の言葉に、佑が食いつきます。
「となると、当然沙也加も…『なんか』にはなるんだよな?」
「そうよぉ?当たり前でしょ」
梅さんの一言に、亮二が真っ青になりました。
「まさか…夏男!今年もお前が独断と偏見で…っ!?沙也加もその餌食になるのか!?」
「餌食ってなによぉ〜」
去年のパーティは、梅さんの独断と偏見で、寮生たちの仮装衣装が用意されたのです。
亮二は、「アントニ●猪木」の格好をさせられました。
ちなみに、
佑は「●ゃりー★ぱみゅ●みゅ風ギャル」
晃は「光☆●ENJIの●星くん」
零は「白馬」
啓一朗は「マタギ」
でした。
そして、強制的に連れて来られた冴島先生はなんと…「カッパ」
残る梅さんは、国民的アイドルがやってたピンクの犬の「Pちゃん」…
再び、脳内に再生された去年の記憶に、全員が「ウゲェ」っとなります。
黒歴史、とはこういう物です。
全員の顔を見て、梅さんは苦笑いを漏らしました。
「ま、亮二の言うとおり…沙也加ちゃんの衣装だけど…」
「ダメだ梅!!沙也加だけは手出しさせねぇぞ!」
「そうだよ!梅ちゃんっ!!沙也加ちゃんは俺たちの聖域なんだから!!」
「っていうか、仮装はなくてもいい」
「そうだな。仮装して菓子もらって喜ぶ歳じゃねぇし…」
口々に反対を喚く寮生たち。
亮二が口を開きました。
「今年は沙也加だけ仮装してもらえばいいじゃねぇか。俺たちが用意して」
ボソボソと呟いたわりに、ちょうど全員が黙った隙をついての言葉だったので、
佑、晃、零、啓一朗、そして梅さんが、ぐるっと亮二を振り返りました。
「亮ちゃん??今、なんて???」
真っ赤な顔の亮二に、目だけ笑ってない梅さんがにじり寄ります。
そんな梅さんの後ろでは、寮生たちが「亮二!GJ!!」と親指を立てていました。
「だ、だから…っ、沙也加は俺たちが責任をもって、だな…っ」
同じ事を繰り返す亮二を見下ろした梅さん。
全員ハラハラしながら、梅さんの言葉を待ちます。
やがて、ニッコリと笑った梅さんは、全員を見回してこう言いました。
「じゃあ、沙也加ちゃんの衣装、お願いしようかしら」
「ホントか!?」
「ええ。本当よ♪」
これでようやく、まともなパーティになる!!
みんなが心の底から喜んだ次の瞬間…
「アンタたちの衣装は、アタシが責任もって選んでおくからね♪」
え!?
石のように固まった寮生を残して、梅さんは食堂を出ていきました。
【ヒロインの仮装は??】
とりあえず王道を提案してみました→2
とりあえずそれぞれの好きなものを挙げてみました→3
女王の場合→4
_