短夢堂U

□恋文
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由紀が何かを言う。


由紀がどこかに連れていってくれる。


由紀がわたしに触れる。


由紀がわたしにキスをする。


由紀が微かに笑う。


由紀が意地悪を言う。


由紀が眠る。


由紀が目を伏せる。


由紀が囁く。


由紀が怒る。


由紀がわたしを抱き寄せる。


由紀がわたしの髪を撫でる。


由紀がわたしに向かって手を差し出す。


由紀が困った顔をする。


由紀が先生の顔にかわる。


由紀が返信をくれる。


由紀が電話をかけてくる。


由紀がタバコを吸う。


由紀がすぐにタバコをもみ消す。


由紀が頬杖をつく。


由紀がわたしを見つめる。


由紀の切ない声。


由紀が笑う。


由紀がここにいること。








いつもどんな時でも、泣きたくなるような気持ちになるのは、何でだろう。


由紀がいることで、呼吸が楽になったり苦しくなるのは、どうしてだろう。


由紀を好きになって、由紀に愛されるようになって、わたしは前よりもずっと、自分が好きになれた。


由紀、知ってる?


わたし、いつも由紀から色んなものをもらってるよ。


そのたびに、いつも思ってる事があるの。


由紀、聞いてくれる?


あのね、ずっとずっと言いたかったけど、なかなか言えなかったから、今言うから聞いてね。













由紀、いつもずっと、どんな時も…





どうもありがとう。








ずっとずっと、ずっと大好きです。









沙也加

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