first flower-【F*F】
□【酔っ払いオオカミ】堂郁
1ページ/3ページ
…女子ばかりが集まる会話は、時に容赦のないものだ。
柴崎と昼休憩の時間がかぶったある日、柴崎と一緒のローテーションで休憩に入っていた業務部の女子に捕まった。
他の隊員を交じえての昼ごはんも珍しくは無いのだが、
捕まった、と表現したくなる原因があるのだ。
結婚した郁に対しての、女子の興味本位の質問がたえないこと。
「堂上一正て、家でもあんな顔してるの!?」
といいながら、眉間を指さされたり…
「デートはどこにいくの?」
「優しいこと言われちゃったりするの??」
などなど…
自分の中でさえ消化が追いつかない項目を、いっぺんに並べられて、その度に郁はショートしそうな頭を必死で冷やす羽目になる。
(おもに、手元のおしぼりで)
「ていうか!
堂上一正って、どんなえっちすんの?!」
…はぁぁぁぁぁぁああああ!?
昼間の!食堂で!
こんなのショートどころの話ではない。
すでに頭も目もぐるぐるした状態で、必死に言葉をさがす。
「そ、そ、そんなの普通!優しいし、、、、」
普通ってなんだ!
篤さんしかしらないのに!
自分に自分の頭中でツッコミがとぶ。
もう解放してくれ!と願うのに、こういった話に食いついた女子が簡単に諦めてくれるはずもない。
「優しいの?ぜったいSっぽいのに!
…余裕のない堂上一正とか、ないのー?!」
「ななななないっっっっ!」
余裕がないなんて、
そんなのはいつも、大抵自分の方なのだから。