storyX 『紅の螺旋』(連載中)5/22up

□第4章 どこかにいる誰か 
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「それだけならLRってまるで・・・」
「正義の味方だな」
ルーシィの言葉をナツが続けてニヤッと笑った。
どうもこの炎の滅竜魔導士ときたら事件の匂いを楽しんでるらしい。

「そいつは魔導士なのか?薔薇でなんかの魔法を使ってンのか?」
グレイが疑問を口にした。
誰もが思っていたことだ。
「魔法が無力化しちゃったり、枯れた薔薇が残ったり、その薔薇が魔力を吸い取ってるのかしら」
レビィが謎解きを始めた。
「メルディどうしたの?」
何かを考えこんでいる様子のメルディにジュビアが声をかけた。
薔薇の名をもつ魔導士を、メルディは知っていた。
「あっ、そいつってもしかして薔薇の名前がついていたヤツじゃない」
少し離れた席で聞いていたエバグリーンがエルフマンの肩をたたいた。
「ほら天狼島にいた、あいつよ」
「ええ?」
驚くエルフマンのつぶやきに、メルディの声が重なった。
「ラスティローズ」

かつてメルディは一度ラスティローズに再会していた。
アズマとザンクロウとヒカルを具現化して、自分にもう一度仲間になろうと言い寄ってきた。
ラスティローズの魔法は具現のアーク。
願ったものを形にする。
相手の魔力を吸い取って無力化するような種類の魔法ではなかった。
ただ名前に薔薇がついているというだけでラスティローズを連想するのは短絡的すぎるような気もした。
LR。
たしかラスティローズの綴りはRustyroseのはずだ。

もしラスティと会えばどうなるのだろう。
あれからまだラスティは具現化させた仲間と旅をしているのだろうか。
メルディはもう一つ、
『薔薇の王冠』という名のついたウルティアの魔法を思い出していた。
グレイもまた。

「でもそのLRは何も悪いことはしていないんだし、そっとしておいても問題はないんでしょ」
ルーシィがスティングの方を見た。
ユキノもつられてスティングを見つめた。
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