story U 

□ドラゴン・ロード
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「5年だなんて・・・」
レビィはガジルが、果てしなく遠いところへ行ってしまうような気がした。
「5年もかかるとは、限らねェだろうがよ。
報酬も半端ねェし、言うことねェな」
「マスターとの面接必要って書いてあるよ」
「ンなもん、すぐに終わらァ。ギヒヒ」
ガジルはリクエストボードから依頼書を剥がすと、マスターの部屋へと向かった。


開け放たれたマカロフの部屋のドアをノックしながらガジルは部屋へ入っていった。
「ガジルか。ヌシがこの5年クエストをのぉ」
「こんなモン、1年で片づけてきてやんよ」
「黙れ!若造が!」
「!!」
「これほどのクエストを力だけで片づけられると思うな」
「じゃあ、何が必要だってンだよ!」
「そんなこともわからん奴に5年クエストなど任せられん。帰れ」
「ンだと!」
「もう一度言う。貴様には無理だ。帰れ」
「チッ!」
勢いよくマカロフの部屋を飛び出してきたガジルを見て、レビィは息をのんだ。
怒りにふるえたガジルの横顔は、まるでドラゴンのように、他を寄せ付けない威圧感をまとっていた。
「ガジル・・・」


ガジルが腰を下ろしたテーブルの隣に、ナツとエルザが座っていた。
「5年クエストなど、無茶をするな」
「じっちゃんは怒ると怖ぇぞ」
「ケッ。お前ェらと一緒にするンじゃねェよ」
「アァ?なんだと?やんのか、コラァ?人が心配して言ってやってんのに」
ナツがガジルに近づいて、二人はにらみ合っている。
「S級でもないお前に5年クエストの許可がおりるわけがないだろうが」
「フン!」
ガジルはどかっと椅子に腰を下ろし、ぷいっと横を向いた。
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