頂き物 (お話)

□ご飯
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「メ〜ルディ!!」

「きゃっ」

後ろからいきなりザンクロウに抱き着かれて、つい声を上げてしまった。



「メルディ、オレっちと一緒に遊ぶってぇ!」

「まだ、私ご飯食べてない…」

「じゃあ、食べてからどっか一緒に、遊びに行くってぇ」

「…わかった」


まるで子犬みたく、私に擦り寄って来るザンクロウ。
この無邪気で人懐っこそうな、けれどどこか野性味を帯びているザンクロウの笑顔が、私は好き。…何でかな?

子供で良く小っちゃいって言われる私から見ても、ザンクロウはなんだか大きな子供っていう風に見えてしまう時がある。まぁ、大体そういう風に感じているけれど。


でも…、とそこまで考えたところで、肩と背中にズシリとした重みと、ふわふわとした金髪がかかる。


「ザンクロウ…、重い。ご飯食べられない。」

「メルディ、小っこくって可愛いってぇ」

「………。」


私が言うのも聞かずに、離すどころか逆にザンクロウの胸板に寄りかかるように、抱き込まれてしまった。
まぁ、ザンクロウは大体私の言うことを聞いていないことが多いから、私もさっきよりも重くなった腕を動かして、また食事を再開し始める。

今日の朝ご飯はウルティアが作ってくれた。
サクサクとしたトーストに、野菜たっぷりのスープとカリカリに焼かれたベーコンが2切れ。私の好きな物が揃っている。栄養が偏らないように、と野菜たっぷりのスープにしているところがウルティアらしい。
こんがりときつね色に焼けたトーストからは香ばしい香りがして、とても食欲をそそる。
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