頂き物 (お話)

□一緒にいたいだけ
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☆「一緒にいたいだけ」



「あ〜…オレっち勉強苦手だってぇ…」
「でもザンクロウ、頑張らないとウルティアに怒られちゃうよ」
「う〜…」

定期試験まであと一週間。
やる気のおきないザンクロウを見たメルディが、勉強会を提案したのだ。
「メルディは普段からきちんと勉強してるものね」
そう言って渋々と勉強会を承諾したウルティア。
赤点ギリギリの点数を取りまくっているザンクロウも、メルディに教えてもらえるなら、と喜んでいたのだが。

「ザンクロウ、ゆっくりでも解こう?」
「…わかったってぇ」
目の前にメルディがいる。
しかも今ウルティアは出かけているし、家に二人きり。
それだというのに勉強しなければいけないというのもなかなか辛い。
しかし、いくらメルディが普段から勉強しているとはいえ、あまり試験前の勉強の邪魔をするわけにもいかない。

…あ、問題解いてるメルディも可愛い――
「ザンクロウ、今思ったことを言ってみなさい」
「問題解いてるメルディもかわいい……ってウルティアさん!?」
「おかえりなさい、ウルティア」
「ただいま、メルディ」
いつの間にかザンクロウの後ろに立って、にっこりと笑うウルティアがいた。
彼女はとても美しいのだが、今のザンクロウには鬼にしか見えない。
「…メルディ、勉強中ごめんね。ちょっと紅茶をいれてきてくれないかしら。休憩しましょう」
「うん、わかった」
ウルティアに言われた通りに一旦勉強道具を片付け、ぱたぱたとキッチンへ向かうメルディの姿を、ザンクロウは必死に目に焼き付けていた。
「………ザンクロウ」
――なぜなら今から冷たい魔力をまとった鬼と対峙するから。


一方、キッチンでは。
「…カプリコ」
「メルディか。紅茶をいれるなら今ちょうどメェがお湯を沸かしたところだが」
「…今ね、ザンクロウが、可愛いって言ってくれたの」
「…それでそんなに嬉しそうなのかね」
「アズマ。私、嬉しそう?」
うなずく大人2人に、メルディがほんのりと頬を赤く染めていた。
そしていそいそと紅茶をいれるメルディを見ながら、
(ザンクロウも度胸があるな…)
と、彼の無事を祈るのだった。


END



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日記欄で「マギ」のアニメ放送開始が自分の誕生日と一緒だとのたまわった私に、桃くらむ様がザンメルを書いてくださいました!!!!
なんというお優しいお方なのでしょう(:_;)

問題を解いているメルディにうっとりするザンクロウがかわいくてたまりません(>_<)
「アズマ。私、嬉しそう?」
のメルディには、もうヨダレが…。
ただただザンクロウの無事を祈っております…(゜o゜)

桃くらむ様、本当に素敵なお誕生日プレゼントをありがとうございました!!!!

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