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□俺の道 妖精の滅竜魔導士篇
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ガジルは鏡の前で顔の引っかき傷を気にしていた。
「ったく、あの野郎ォ。猫のくせに俺を誰だと思ってやがんだ!」

ナツには青猫(ハッピー)、新入りのウェンディには白猫(シャルル)、
同じ滅竜魔導士なのに、なぜか自分には猫がいないことをガジルは心密かに悩んでいたのだった。

「まあ、こんだけ治りゃあ、大丈夫だな」
猫に引っかかれた傷が格好悪くて、ここ何日かギルドには顔を出していなかったのだ。
腹も減ったし、久しぶりにギルドに行って、レビィと話をしようと思いながら
(実際にはちょっかいをかけるのだが)
ガジルは出かけて行った。
「チッ。なんだよ、雨かよ」
空には真っ黒な雨雲が広がっていた。


一方ギルドでは、
雨の中、仕事はさておき、それぞれのテーブルで話し込む魔導士たちの姿が見られた。

「雨だから、今日は来ないのかな」
レビィはギルドの入り口の方を気にしながら、ルーシィたちと過ごしていた。
「ん?レビィちゃん、誰か待ってるの?」
「え?ううん!別に」
「そういえば、このところガジルの姿が見当たらんな」
「そおねぇ」
何気ないエルザの一言に、ルーシィは意味深に反応し、レビィの顔を見つめた。
「な、なに?ルーちゃん」
「今日は現れるといいね!レビィちゃんの王子様!」
「王子?」
「そ、そんなんじゃないよ!もう、ルーちゃんったらあ///」
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