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□ガジレビ2DAYS 後篇
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レビィにつきあって図書館に行った帰り、レビィと別れてからも、
ガジルは、胸の中が熱く興奮している自分に気付いた。

なんだよ、アイツ。
あんな顔してすぐ隣で寝てんじゃねェよ!
俺が何もしねェって保障があんのかよ!
俺もそんなふうに成り下がってんのかよ?
・・・いや、成り下がってるわけじゃねェ。
別に俺たちはそんな関係じゃねェんだから。
そもそも「俺たち」ってなんだよ。
なんで、こんなにイライラしてんだよ、俺。
さっきまで、アイツの顔見て和んでたじゃねェか。
くそっ。
どうすりゃいいんだよ!


当然ながら、これまで普通の恋愛経験などないガジルにとって、
レビィに対する自分の気持ちがどういうものなのか、なかなか認識することができなかった。

好き、だとか
愛してる、だとか、
そういった感情とは、全く無縁に歩いてきた男だ。
しかし、ガジルは、妖精の尻尾に入りギルドの一員となろうと努力する中、レビィと話をするようになり、
自分の心と向き合いながら生きて行くすべを身につけようと、彼なりに切磋琢磨していたのだ。


このごろガジルは
「ありがとう!」
「また明日ね!」
そう言って笑うレビィを、両手でがばっと抱きしめたくなるときがある。
一方で、そのような自分の感情を、押し殺そうと否定する自分もいる。
「俺は、アイツにあんなことをした人間だ。許されるわけがねェ」
どこかで、そう自虐的に自分を見下ろすもう一人の自分。
しかし、なぜかドラゴンの本ばかり読んでいる、頭がよくて優しいレビィと接していると
「こんな自分でもいいのか」
という希望に似た明るい気持ちが芽生えてくるのだった。
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