story

□レビィの休日
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振り返ってみれば、バトル・オブ・フェアリーテイルといった騒動はあったものの、ファンタジアもなんとか終わり、ギルドにも日常が戻ってきた。
そんなある日、レビィは一人休日を過ごしていた。

ルーシィに教えてもらった香りのよいアロマオイルの小瓶を購入したレビィは、
今日はゆっくり部屋でアロマオイルの香りに包まれて読書したいな、などと思いながら、行きつけの古本屋さんのドアを開けた。

「いらっしゃい。おや、レビィちゃん」
「こんにちは」
すっかり、おなじみの客になっているレビィを年老いた店主が迎え入れた。
さほど広くない店内には、レビィ以外には客はおらず、レビィはゆっくりと棚を見て回った。

見慣れた棚よりもやや上の棚をふと見ると、
「あった」
お目当ての本が見つかり、思わず声が出てしまった。
『ドラゴンと魔導士に関する考察』
「よかった〜見つかって」
かなり古いその本は、今まで誰も手にしたことがないらしく、棚の中でほこりをかぶっていた。軽く500頁は越えている本を手に取ると、ずっしりと重たかった。
「うわ、読み応えがありそう」

フリードの術式を解いた自分の思いをくんで、彼なりにラクサスの暴走を止めてくれたガジルに対して、レビィは感謝や期待感を感じるようになっていた。
それだけではなく、
ガジルって、けっこうかっこいいと思うんだけど・・・。他の女の子はどう思うのかな?
今度、ルーちゃんにこっそり聞いてみようかな、などと考えていた。

レビィはうれしくなり、すぐさま支払いをすませ、古本屋を出ると、お気に入りのジュースバーに向かった。
カウンターで野菜や果物を選ぶとその場でジュースにしてくれるその店は、レビィのお気に入りだった。

「オレンジとカシスにとうもろこしのミックスをレギュラーで一つください。」
「少々お待ちください」
店員からカップを受け取ると、レビィはうれしそうにストローに口をつけた。
「おいし」

少し前からそのレビィを見つけ、様子を見ていたものの、声をかけようか、いや声をかける気などなかったかもしれない男の視線に気づいて、レビィは顔を上げた。
「ガジル!」
「・・・何だよ」
「ガジルこんなところで何してるの?買い物?」
「・・・」
「もしかして、これからギルドに食事にでも行くの?」
「まァな」
「ガジル、松葉づえとれたんだね。よかったね!」
「お、おう」
ラクサスとの激闘でかなりの大怪我をしたガジルだったが、今は頭にまかれた包帯だけが
その痕跡を残していた。
「ガジルん家ってこの近くなの?」
「そこの3階だ」
「へぇ」
レビィはガジルが指差した建物を見上げた。
この界隈ならしょっちゅう来ていたのに、今までガジルと会うことはなかった。
「私、このへんよく来るんだよ。ここのジュースが好きで」
「フーン」
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