storyY ザンメル部屋 2022.1/25up

□滅神炒飯
1ページ/1ページ


『滅神炒飯』


ウルティアさんが気まぐれ?と罪の意識から拾ってきた子ども、名前はメルディというらしい。小せぇなァ…こいつ歳はいくつなんだろう。
どういった偶然か、グリモアハートの戦艦の七眷属のみが使用を許されているリビングにおいて、ザンクロウはメルディと二人で留守番をする羽目に。
ぐうううううーーー
「「あ」」
互いの腹の虫の不意打ちに赤い瞳と緑の瞳が交差した。
「腹、減ったってか?」
「・・・・・・うん」
俯きがちにメルディが頷いて、意を決したようにザンクロウが立ち上がった。
ガタゴトと音を立て台所でフライパンを用意したかと思えば、次はまな板と包丁を出した。トントントンとネギを刻む音の小気味良さに聞き惚れていると、フライパンにじゅっと引かれた油からにんにくの香りが立ち上り、メルディが緑の瞳を丸くした。
「ザンクロウ、お料理できるの?」
「腹減ったら、なんか作って食ってきたからな」
これまでどんなふうに生きてきたのか、お互いのことは、まだまだ知らないことばかり。メルディはウルティア以外の人間に対して、初めて少し興味を持った。
「じゃーん、完成!」
「お、美味しそう」
メルディの前に運ばれたお皿から、香ばしい匂いが漂う。
「いただきます」
「おう、食え食え」
二人きりの広いリビングにカチャカチャとスプーンの音が響いていた。
「美味しい、すっごく美味しいよ、ザンクロウ」
メルディの率直な感想に、
「褒めたって、これ以上なんも出ねぇぞ」
とザンクロウがニヤリと笑った。
そこへ、
「うううううんまそうな匂いがするっス!!」
「香ばしさにそそられる食欲のほとばしりをどうすればいいのか教えてもらいたいものだ」
「ほう、炒飯かね」
とヒカル、ラスティローズ、アズマの三人が現れた。
「「「ザンクロウ、オレたちの分は?」」」
「ねぇよ!」
せっかく楽しんでいたメルディとの時間を邪魔されたような気がして、ザンクロウは舌打ちしながら、グラスの水を飲み干した。


END


追記


コレいつ書いたんだろう。
多分妄想SSのつもりで日記に上げたのかも。
ずっと非公開になっていたのに気づいたので、そっと公開しておきます。
2021年4月13日
あん


次の章へ
前の章へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ