妄想SS☆置き場 12/8up 

□2011年10月分
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☆「カフェにて」

ファンタジアが近づいたある日、マグノリアのカフェでお茶を飲んでいるレッドフォックス夫妻。
そこへ、観光客らしい若い男性が近づいてきました。
「あのぅ、レビィ・マクガーデンさんですよね〜?」
「え?」
「僕『週刊ソーサラー』を愛読してて、ファンなんですけど、握手してもらえませんか?」
「!」
どうやらファンタジア目当てにやってきたこの観光客には、レビィの隣にいる最強の鉄の滅竜魔導士が目に入っていないらしい。
いろんな意味でワナワナとうち震えるガジル。
目の前で、愛妻に握手を求めてくる野郎にブチ切れているのはいうまでもなく、自分が無視されているのも癪に障る。
「なんだ、てめェ…」
ガジルが椅子から立ち上がるより一瞬早く、レビィがひとこと、言い放った。
「人違いだよ。私、レビィ・マクガーデンじゃありません」
「ええ?」
「よく似てるって言われるけど」
レビィはにっこり笑って、半分嘘をついた。
体よく断られた男性はしぶしぶ退散していったのだった。

「…なんで嘘ついたンだよ。一発ぶっ飛ばしてやりたかったのによ。ケッ」
「嘘じゃないよ」
「?」
「だって、私、レビィ・レッドフォックスだもん」
「!」
「レビィ・マクガーデンに似てるなんて言われないけどね」
そう言って紅茶を飲む愛妻の顔が眩しくて見られないガジル。
今年のファンタジアは平和に始まりそうです。

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☆『悪ィかよ・その後』のその後

レッドフォックス家の大きなダイニングテーブルに置かれた一冊の本。
「だれ?こんなところに本を置きっぱなしにして」
「あ、それ、ぼくの。読書感想文の宿題の本…、なんだか読むのめんどうなんだもん」
母の問いに、青い髪に、赤い瞳、白い牙をもった利発そうな少年が答えた。
「あら、本を読むの好きでしょう?」
「うん。でも、決められた本を読むのは好きじゃない。自由に好きな本が読みたいんだよ」
どうやら、父親同様に、自由なドラゴンの血が少年にも脈々と流れているらしい。
「そう…。あ、そうだ、いいもの貸してあげるわ」
母はそう言って、小さな青い石のついた金色の美しいしおりを持ってきて、少年に手渡した。
「きれいだね、このしおり。どうしたの?」
近くで新聞を読んでいた、丸耳の黒猫がその問いに応じた。
「懐かしいな。それはお前の父さんが若いころに、クエスト先で母さんにお土産として買ってきたものだ」
「へぇ、リリーよく知ってるね」
「おれもそのとき、一緒にいたからな」(『悪ィかよ・その後』参照)
「お母さんの宝物なんだから、大事に使ってね。コレを使えば、きっと読むのがいやじゃなくなるわ」
「うん、ありがとう!」

その頃、火竜とモンスター退治のクエストに出かけていた父親、ガジルは…。
「へっくし!」
「なんだよ、ガジル。カゼかよ、使えねェな」
「ンだとォ?一回くしゃみしただけだ!」
「安心しろ。俺とハッピーで、モンスター退治してやるから、お前ェは休んでてもいいぞ」
「アァ?」
「だいだい、お腹に赤ちゃんのいるレビィが心配だからって、リリーを留守番させちゃったくらいだもんね」
「オウ、青猫、だからなんだってンだよ」
「飛べない鉄竜なんて、力半減だよ」
そういうとハッピーはナツをかついで、ゆらゆらと舞い上がって、モンスターを上空から攻撃する態勢に入っていった。
「チッ」
鉄竜は舌打ちしながらも、上空に気をとられるモンスターを下から挟み撃ちにした。
そして、あっという間に任務は遂行された。
すっかり大人になった魔導士たちの姿がそこにあった。

再び、ドラゴンの館。
「へっくしょん」
「レビィ、風邪か?」
「ううん。一つくしゃみが出ちゃっただけだよ」
「お父さんがナツさんとお母さんの噂してるんじゃない?」
「ありえるな」
「うふふ」
どこまでも、平和なレッドフォックス家でした。

ここまでベテラン魔導士になったら、ガジルとナツが一緒にクエストに行く機会なんてないかもしれませんが。


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☆「仕事帰り」

ガジルとレビィが結婚してからというもの、ガジルが泊まりの仕事に出かけたときの、その帰宅のパターンに規則性がはっきりと現れるようになっていたのだが、本人はそれに全く気づいていなかった。
泊まりの仕事を終え、ギルドに立ち寄り、マスターに報告を済ませると、ガジルは踵を返して、一目散にドラゴンの館を目指した。
「よぉ、ガジル。仕事終わりかよ、どうだ、こっちで一杯つきあえよ」
ワカバやカナと飲んでいたマカオが、通りすがりのガジルに声をかけた。
「酔っ払いにつきあっている暇はねェんだよ」
ガジルは歩みを止めることなく、さっさとギルドを出て行った。
「バカだねぇ。ガジルはとっととレビィのところに帰りたいに決まってんじゃん。誘うだけ野暮ってもんだよ」
カナの言葉に、マカオも何かを思い出したように納得した。
「そうか。アイツ、泊まりの仕事の帰りは寄り道しねぇんだったな」
「フフフ」
笑って相棒の噂を聞きながら、リリーはハッピーたちと釣りにいく相談をしていた。

早くレビィに会いたい、という気持ちを、この粗野な鉄竜がどれだけはっきりと自分で認識しているかは別として、大股の歩みがさらに速まって、街の人ごみをぐんぐん追い抜いていくのは、誰の目にも明らかだった。
街外れの公園にさしかかり、ガジルは先を歩く、青い髪のかわいらしい後ろ姿を見つけた。
「!」
買い物に出かけた、愛妻と偶然出くわしたのだ。
レビィは移動販売のメロンパン屋さんで、試食用にカットされたメロンパンまでたくさんもらったのでそれを食べようとしていたところだった。
「こんなにたくさんもらっちゃって」
レビィが小さな手でメロンパンを口に運ぼうとしたその瞬間。
パクっとレビィの小さな指先ごとメロンパンにかじりついた人影。
「きゃ」
「ギヒヒ。ボーっとしてっからだ」
「ガジル!お帰りなさい!」
「メロンパン買ってきたのか」
「うん。だって好きなんだもん」
レビィは、好きなんだもん、という言葉に合わせるかのように、ガジルの腕にもたれかかって頭をぴたっとくっつけた。

って、まだまだ続きそうですけど、妄想SSなんでこのへんで。
ああ、やっぱりガジレビ最高(*^_^*)


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☆「図書館へ」


二人がつきあい出して初めての秋、ガジルはレビィの図書館通いのお伴をすることに。
「つきあわせちゃって、ごめんね〜」
「別に」
ガジルと手をつなぎたいなぁ、ううん、やっぱり腕を組む方のもいいかなぁ、でも恥ずかしい…。
あれこれ、妄想しながら本の入ったカバンを抱きかかえるようにして、ガジルの隣を歩くレビィ。
一方、女子の扱いに免疫をもたない男、ガジルの頭の中でも、レビィの手をとるべきなのか、肩を抱くべきなのか、もやもやといろんな考えがうかんでは消えていくのだった。

「そうだ!そろそろ綺麗なころかも!」
「?」
これまで、二人がつきあう前にも、レビィは何度かガジルと図書館にくる機会があった。
しかし、それはいつも、濃い緑の季節ばかりだったのだ。
公園を通りすぎ、図書館へ続く並木道へ差しかかったとき、レビィが声をあげた。
「見てみて!ガジル、とっても綺麗でしょう!」
「オオ」
二人の目の前には、黄色く色づいた、立派なイチョウの並木が広がっていた。
「この並木、イチョウだったのか」
「うん」
並木の入り口で、その美しさに見惚れて立ち止まる二人。
レビィは、慣れ親しんだイチョウに背中を押されたように、カバンを肩にかけると、ガジルの手を引っ張って、黄色く色づいた道を歩き出した。
「行こ」
「アア」
レビィに手を引かれる格好になったガジルは、その小さな手の温かい感触を愛おしむかのように、そっと握り返した。



私は、本好きなレビィちゃんのイメージが乗せやすい図書館ネタは大好きです。
個人的にイチョウの木も大好きです。
銀杏が落ちると臭いですけどね(^^ゞ

この妄想SSを書いてから、なんだか描きたくなって描いた一枚です↓


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☆「ガジルのばか」

今日はアニメに捧げる?妄想SSです!!
タイトルは『ガジルのばか』
モチロン、設定はまったく、かの210話と異なります。
ご理解いただけた方はどうぞ〜↓


バトル・オブ・フェアリーテイルを経て、レビィはもちろんのこと、ギルドのメンバーもガジルへの見方が変わってきたある日。
珍しく、みんな仕事に出かけたのか、閑散としたギルドで、テーブルをはさみ、話しこんでいた女子二人。
「ねぇねぇ、レビィちゃん。ちょっと聞いてもいい?」
「なあに?ルーちゃん」
ルーシィがやや声を落として、レビィに話しかけた。
「レビィちゃんて、ガジルのこと、どう思ってるの?」
「え?え?なんで?」
突然のルーシィの質問に真っ赤になるレビィ。
「うふふ〜。なんかね、もしかしたら、レビィちゃん、ガジルのこと好きなのかなぁって、思っちゃって」
「そ、そんなふうに見える?」
「うん」
レビィの様子を見て、ルーシィはやっぱりそうかと確信した。
できれば、親友としてなんとかレビィの力になってあげたいと、せっかちでおせっかいな気持ちすら湧き上がってくる。
「わ、私、ガジルのこと、す、好きじゃないよ!」
「ええ〜?ホントに?」
レビィはその口ぶりとは裏腹に、耳まで真っ赤になっている。
「す、好きじゃない」
かたくなにそう繰り返すレビィの元に、ミラがやってきて言った。
「うふふ。『好き』じゃなくて、『大好き』なのよね?」
「ミラ!!」
「そうかぁ!なるほどねぇ〜やだぁレビィちゃん、かわいい!」
ルーシィがレビィに抱きついた。

「はい、アイアン・セット。おまちどうさま」
ミラはそういうと、レビィの後ろのテーブルに、注文の品を置いた。
レビィの後ろの長い椅子から、むっくりと起き上がる、鉄竜の姿。
どうやら眠っていたらしい。
「ガジル!」
「やだ〜!!聞いてたの!?」
「そっちが勝手に話してたンだろうがよ」
ガジルは迷惑そうな顔をしてそう言いながら、プイッと横を向いた。
レビィは真っ赤な顔で立ち上がると、言った。
「ガジルのばか〜!!」
「ちょ、ちょっと、レビィちゃん!!」
レビィは恥ずかしさのあまり、ギルドを駈け出していった。
「ホラ、追いかけなきゃ」
ミラとルーシィが、当然のようにガジルに向かって言った。。
「なんで、俺が」
そう言いながら、ガジルは長椅子から腰を上げていた。


ただレビィちゃんに「ガジルのばか〜!」と、言わせたかったから、書きました(*^_^*)
続きは、いろいろなパターンで妄想をお楽しみくださいませ〜(笑)


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☆『グレイの依頼』より「おでん」

さっきまでいた客人と飲んでいたお茶の片づけを済ませると、レビィが言った。
「じゃ、スーパーにおでんの具材を仕入れに行かなきゃ」
レビィは意気揚々と小さな拳をつきあげ、丸耳の黒猫を見た。
「今日はリリーも一緒に行ってくれる?」
「おれも?構わないが、二人でゆっくり買い物してくれば…」
「何言ってやがんだ。結構な量の買い物になンぞ?お前も荷物持ちの頭数だ」
「なるほどな。了解した」
そうして、三人は仲良くマグノリアのスーパーへと出かけて行ったのだった。

「ごぼう天ははずせねェな」
「うずらの天ぷらボールも入れてくれ」
「ガジル、ちくわぶとって」
「巾着餅もいるだろうがよ」
「だしは牛すじか?鶏肉か?」
「両方だな」
「野菜は大丈夫だよね」
「帰ったら、畑の大根掘り起こすぞ」
注・レッドフォックス家の庭の一画には畑があります(笑)
「じゃがいももまだたくさんあったよね。卵もたくさん買っておかなきゃ」
「オイ、うずらも入れてくれ」
実はガジルは、おでんのうずらの卵が大好きなのだ。
「うずらの天ぷらボールは入れたぞ」
「卵はだな、鶏卵とうずらの卵のセットが…(かわいくて)いいンだよ」
「ほう」
幸い誰もガジルの妄想→鶏卵(自分)うずら(レビィ)には気づいていないようだった。
その後、かなりの量になった買い物をリリーも戦闘モードになって、ドラゴンの館まで持ち帰った。
こうして、三人は明日の来客の準備に備え、おでんの仕込みに取りかかった。


↑この妄想は『グレイの依頼』で、カットした?一場面です(笑)
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