妄想SS☆置き場 12/8up 

□2012年1月分
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☆初詣(ザンメル篇)


新年が明けたというので、初詣にやってきたグリモアのメンバーと確信犯で離れてしまったザンクロウ。
メルディだけを連れて、初詣の人々の波のなかに紛れ込んだ。
新年早々後でウルティアにどやされるのは覚悟の上。
ザンクロウなりには、メルディとの時間>ウルティアの説教、という図式を理解した行動だ。


「すっげぇ人数だな〜」
「・・・」
ときどき人にぶつかりながら、進んでいく人の流れの中で、メルディが出店をきょろきょろと伺っている。
「なんか、欲しいモンがあったら買ってやんよ」
「うん。でも、先にお参りしてからでいい」
「そっか」
自分よりずっと年下の女の子なのに、ザンクロウにはメルディがしっかりした女性に見えるときがある。
つないでいる手はこんなに小さいのに。

お参りを済ませた二人は、メルディの希望でおみくじ売場へと向かった。

「メルディ、なんて願かけしたんだよ」
「内緒」
「ちぇっ」

ザンクロウとずっと一緒にいられますように、

とかだったらいいのにと、ザンクロウは一人妄想する。
二人は巫女さんからおみくじを受け取った。

<周りへの感謝を忘れざるべし>
<己の信念を疑うなかれ>

二人はお互いのおみくじを見比べてみたものの、いまひとつ、その言葉の意味に共感できずにいた。
「イマイチ、ぴんとこねぇって」
「・・・」
「なんか食いに行くか」
「うん」

近くの木の枝におみくじを結びつけた二人は、再び人ごみの中へ。
メルディはザンクロウと手をつながずに、その腕に手をかけて歩き出した。



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☆初詣(ガジレビ篇)注意:ガジレビ結婚後の設定です。


ガジルとレビィが結婚して、はじめて二人で迎えた新年。
リリーはエクシードの村の新年会に招待されてハッピーたちと出かけていた。


「うふふ〜それにしてもすごい人だねぇ〜」
「・・・」
二人はお参りを済ませ、神社の一角で甘酒を飲んでいたが、ガジルはレビィの微妙な話し方の違いに眉間にしわを寄せた。
まさか、甘酒で・・・?
「オイ」
「ん〜?」
このトロンとしたしゃべり方。
間違いない。
著しくアルコールに弱いレビィがどうやら甘酒に酔っぱらってしまったらしい。
ま、明け方近くまで愛し合っていたせいもあるのだろうが。(って、オイ!)

「えへへ〜ガジルゥ〜、なんでそんなに怖い顔してるの〜?」
「・・・レビィ、甘酒貸せ」
「ああ〜ガジルが私のことレビィって言ったぁ!」
「!」
突然、レビィが立ち上がって大きな声で叫んだので、周りの参拝客にも、どうやら酔っぱらっていることがばれてしまったようだ。
「な!」
「もっとレビィって呼んでよう〜」
「い、いつも呼んでンじゃねェか!」
「いつもじゃないよ〜だ」
ああああああ、めんどくせええええ。
このこっぱずかしさ、なんとかしてくれ。
ったく!なんでリリーのいねェときに・・・。
酔っ払い相手に素面のガジルが赤面していると、レビィがぎゅうううう〜っとガジルに抱きついてきた。
「私のこと、ずっとレビィって呼んで、ね?」
トロンとしながらも真剣な瞳でガジルを見つめ、レビィが訴える。
「オ、オウ」
なんだよ、どうしたんだよ。
「赤ちゃんが生まれても、ママとかお母さんって呼ばないでね」
「な!」
あ、赤ちゃんだと〜!?
もしかして!!
鈍感で通っているガジルも、心臓が早鐘を打ったようにどきどきしてきた。
「オイ、レビィ!それって・・・」
ガジルが真偽を確かめようとレビィを見つめる。
「うん。さっきお願いしておいたの。ウチにもかわいい赤ちゃんがやってきますようにって」
「・・・これから来てって話かよ?」
「そうだよ〜」
「・・・」
なんだ、この妙な脱力感は・・・。
ガジルは不意に何かを決意したように、ヒョイっとレビィを肩にかつぐとずんずんと歩き出した。
「ええ〜恥ずかしいよ〜おろして〜」
「この方が早い」
「自分で歩けるよ〜」
「レビィ」
「ん?」
「そういう願いごとは、直接俺にしろ」
「!」
一気に甘酒の酔いも吹っ飛んだレビィが赤面し、ガジルの肩の上で大人しくなった。
「・・・うん」



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☆温泉へ行こう


ギルドの一画のテーブルで、旅行のパンフレットを手にするラクサスの周りを、フリード、ビックスロー、エバの三人が取り囲む。
ラクサスのことが大好きで崇拝している雷神衆だ。

「たまには皆でそろって温泉でも行かないか?」
フリードがパンフレットの先を急かすようにめくりながらラクサスに言った。
「ほら、こっちの旅館なんか、ラクサス、好きそうだろ」
「フリードったら、何十冊もパンフレットを見比べて吟味したんだから〜」
エバがその労をねぎらってあげてとばかりに付け足した。
「よう、エバ。今回はエルフマンも誘うか?」
「は?ビックスロー、アンタ、何言ってんの?なんでエルフマンが出てくんのよッ」
しかしそう言ってビックスローを睨みつけるエバの頬は誰が見ても赤い。
ビックスローは、大声でギルドにいるエルフマンを呼んだ。

「俺に何か用か」
「よう、エルフマン。俺たち雷神衆で今度温泉に行くんだが、一緒にいかないか?」
「雷神衆と!?」エバも一緒か!?」
「当たり前でしょッ!アタシも雷神衆の仲間なんだからッ」
「おおおお漢として、未婚の女性と温泉に行くなどっ言語道断!」
真っ赤になるエルフマンにビックスローが言った。
「めんどくせぇな〜。行くのかよ、行かねぇのかよ?お前ら家族で参加してもいいんじゃね?なぁ、ラクサス」
「ああ?ミラとリサーナも連れてくってのか?」
「おう」

話を聞きつけたリサーナがやってきた。
「ええ?温泉?行きた〜い。ナツとハッピーも誘っちゃダメ?いっそドラゴンの湯ってとこにしない?」
「アンタも罪な女ね」
エバがため息まじりにつぶやいた。
「どういうこと?」
エバの言葉の真意はイマイチ、リサーナに伝わらないらしい。

今度は給仕をしながら、ミラがやってきて言った。
「私はお店があるから…。皆で行ってきて」
ミラは残念そうにほほ笑んだ。
そこへ、顔を出したマカロフ。
「なんなら、ワシがミラの代わりに一日、ギルドの看板娘をやってもよいがの」
「マスター!」
「他でもない、ミラと『ラクサス』のたっての頼みとあらば、のう?」
「別にジジィに頼んでねぇよ」
「ぬ?なんじゃ、フリードの頼みの間違いじゃったか?」
「なななな何を言ってるんですか?マスター?」
フリードが真っ赤になっている理由を知るのは、マカロフのみか。
まだまだ恋愛関係を構築するには程遠い、ギルドのメンバーのひと時だった。





日記にアップしたものに、若干加筆しました(^^ゞ

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