story W(他CP)

□snow lover
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設定:ユキノちゃんは一人暮らし。『剣咬の虎』から既に脱退。その後、スティングとつきあうようになってます。

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12月。
ただでさえ、恋人たちにとっては特別さの漂うシーズン。
スティングとユキノにとっては、付き合いだしてからはじめて迎えるクリスマスだった。

「・・・でね、ローグくんとフローは、お嬢主催のクリスマス会に行くらしいんですよ」
「そうなんですか」
「ローグくんもフローも別に行きたくないらしいんですけど、断れなかったんですって」
「そ、そうですか」
街のカフェでお茶を飲みながら、レクターがユキノに説明した。

スティングは、窓の向こうの通りを眺めている。
何かを考えているのだろうか。
それとも。
「スティングくん」
「・・・」
「スティングくんってば」
「あー?」
「コーヒー冷めちゃいますよ」
「おう」
ぼーっとしているスティングにレクターが声をかけた。
声をかけられたスティングは、少し冷めたコーヒーに口をつけた。
「「何か考えごとですか?」」
レクターとユキノが同時に尋ねた。
「ぶはっ!お前ら、なんだよ?それ」
「「・・・」」
ユキノとレクターも顔を見合わせた。
スティングとユキノがつきあうようになり、レクターとユキノもすっかり仲が良くなったのだが、どうやら相当気が合うらしい。
スティングの身を案じたり、世話を焼こうとしてみたり、二人の考えていることが一致することがよくあった。
「別に考えごとなんて、ねぇよ」
「そうですか」
「あーいや、ないこともない」
「どうしたんです?」
ユキノが心配そうな顔をした。
「・・・なぁ、オレら、クリスマスっていうの、どうするよ?」
スティングにそう言われて、はっとしたユキノの頬が赤くなった。
好きな人とクリスマスを過ごす、それだけでテンションが上がる。
もちろん、ユキノも例外ではない。
「世間の恋人たちは、レストランなんか予約するんでしょ?」
「よく知ってるな、レクター」
「それぐらいは常識ですよ」
「そうか。じゃ、どっか予約しとくか?」
「早くしないと、人気のあるお店はすぐ予約でいっぱいになっちゃいますよ」
「あ、あの!」
「ん?」
「よ、よかったら、お二人で私の部屋にいらっしゃいませんか?」
「お前の部屋?」
「ユキノさんの?」
スティングとレクターが同時に驚いた声をあげた。
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