story W(他CP)

□愛する彼女はアイスを愛す(スティユキ)
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☆妄想SS「愛する彼女はアイスを愛す」スティユキ篇


設定:スティユキは恋人同士。スティングがレクターと暮らすお部屋にて。


スティングとユキノがつきあいだしてからというもの、レクターときたら、実にユキノと仲よくなった。
どうもスティングはそんな二人を見ると、ついついヤキモチを妬いてしまう。
レクターとユキノが仲良くしているのは、自分にとっても、とてもうれしいことだというのに。


「レクター見て、これ」
「ユキミダイフク、ですか?」
「うん、おいしそうじゃない?」
さっきから二人は、女子の好きそうなおいしいお店だの、かわいい雑貨だのが載った雑誌をいっしょになって眺めている。
「おもちみたいにモチモチのアイスですって」
「いいですね〜食べてみたいです」
「でしょ〜?」
隣でローグから借りたミステリー小説を読んでいるフリをしていたスティングは、話に入っていきたいもののどうしていいかわからない。
「角のコンビニに売ってるかな?」
「ああ、あそこならあるかもしれませんね。行ってみますか?」
「うん」
二人の話はどんどんエスカレートして、どうやらユキミダイフクとやらを買いにいく算段までまとめている。

「オイ!!」
「「はい?」」
「お前ら、今、なんつった?」
「え?何って、ユキミダイフク売ってるかなって?」
「今、何時だと思ってんだ?」
「「夜の8時、ですね」」
「ユキノ、お前、門限何時だ?」
ユキノの門限とは、もちろんつき合ってから、スティングが勝手に決めたものだ。
「ろ、6時です、けど」
門限って、今はスティングの部屋にいるのだから門限も何もないと思うのだけれど・・・
もちろんユキノはそんなことは口にしない。
「門限とっくにすぎてんじゃねぇか!」
「・・・・・・」
「ス、スティングくん、あの」
レクターがユキノをかばおうと何かを言いかけた。
「レクター」
それをさえぎるかのように、スティングがレクターを呼んだ。
「なんですか?」
スティングはレクターに声をかけた瞬間に立ち上がって、ポールにかけてあった上着を引っ掛けた。
「一緒にこい。お前はそのユキミなんとかっての、知ってんだろ?」
どうやら自分が買いに行くつもりらしい。
「ええ!知ってます!」
振り返らずに玄関からとっとと出かけていくスティングについていきながら、レクターがユキノを振り返って笑って手を振った。


しばらくして、ユキミダイフクの入ったコンビニの袋を手に帰ってきたスティングとレクター。
「おかえりなさい!」
レクターの手にはまだ食べかけの豚まん。
「ただいま」
そういうスティングは、冷たくなった手で、自分の豚まんの残りをユキノのかわいらしい口に押し込んだ。
「!」
「それ、ユキノさんの分って、スティングくん、残してたんですよ」
スティングがポールに上着をかけにいったすきに、レクターがこっそりユキノに打ち明けた。
「・・・ホント?」
「ええ」
「ユキノ。何、赤くなってんだ?」
「あ、あの・・・」
「ほら、ユキミダイフク、食えよ」
「は、はい」
外には雪がちらつきはじめた夜。
三人で迎える冬の居心地のよさを、三人はユキミダイフクを頬張りながら、感じていた。




END
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スティングはイタいくらいのツンデレ、ユキノちゃんとレクターは仲よし、というのが私の好きな妄想パターンです(笑)
ツンデレのスティングはものすごいめんどくさそうなふりをして買いに行く派だと思う。

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