story W(他CP)

□素直になれなくて(スティユキ)
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☆妄想SS「素直になれなくて」


通路の真ん中にツンツン頭の金髪の青年が立ちふさがって、すごい目つきで少女を睨んでいる。
少女はふうっとため息。

「オイ」
「はい」
「お前、昨日ローグとデートしたんだってな」
「・・・してません」
「ウソつくんじゃねぇよ。お前とローグがカフェでお茶飲んでるのをレクターが見てたんだぞ」
「だって、あれはデートではありません」
ショートヘアの少女が青年の目を見返して、そう言った。
「フン。どうでもいいや」
「・・・」
憤っていた青年が頬を染めて、急につむじを曲げた。
我に返り恥ずかしくなったらしい。
「スティングくん、どうでもいいなんて、いっちゃだめですよ」
スティングと呼ばれた青年の足元から励ましているのは、彼の猫、レクター。
「ユキノさんのこと、好きなんでしょ」
レクターは少女に聞こえないように、ごにょごにょとそう言った。
「別に好きじゃねぇよ!!」
「「!」」
スティングの大声に、レクターとユキノがびくんと身体をこわばらせた。
言ってしまってから、さらに真っ赤になったスティングは、どかどかと足音を荒げて少女の前を立ち去って行った。
「あ・・・」
追いかけようか。
追いかけたいけれど。
追いかけてもいいものか。
自尊心が強くて、繊細。
どこか放っておけない人。
そんな彼が私は好き。

「ユキノさん」
スティングの後ろ姿を見つめる少女にレクターが声をかけた。
「はい」
「スティングくんのこと、どう思います?」
「・・・好き、です」
「よかったです・・・」
ほっとした様子のレクターを見て、ユキノが笑った。
「今の言葉、スティングくんに言ってもいいですか?」
「言わなくてもわかってると思います」
「そうですよね」
「ええ」

「レクター!!なにやってんだ!!」
はるか向こうで、スティングが怒鳴っている。
「一緒に行きませんか?」
「いいんですか?」
「だいじょうぶですよ」
「じゃあ」
レクターの誘いにユキノはほほ笑んで応じた。

ああ、もっとスティングくんとユキノさんが仲良くなればいいのにな。
もしかして、フローもローグに対して同じことを思っているかもしれない。
「あ、あの、ローグのことは好きですか?」
「ええ」
「レクターさんもフローさんが好きでしょう?それと同じです」
「それってどういう意味ですか?」
ユキノが説明しようとしたとき、
「何チンタラしてんだ!!」
スティングが怒鳴りながら、こちらに向かって歩いてきた。

「お前まで、なんで来たんだよ」
「ぼくが誘ったんですよ」
「スティング様とレクターさんとデートできたらいいなと思って」
ユキノが真っ赤になってそうつぶやいた。
「スティングくん、聞こえた?」
レクターが見上げると、そこには真っ赤になっているスティングがいた。



END

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
〜〜

レクターは「ユキノさん」ではなくて、たしか「ユキノくん」って呼んでいたような気がする。
でも、ウチのレクターは「ユキノさん」でいこう。
原作のレクターより、ちょっとかわいい系に設定。

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