story U 

□きっと、大丈夫
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S級魔導士昇格試験の受験者とそのパートナーも無事に決まり、天狼島に向けて出発までのひと時をギルドで過ごすメンバーたち。
これから続く闘いの前の、わずかなのんびりとした時間であった。

レビィ、リサーナ、ジュビア、ウェンディとシャルルという、ありそうでなかった珍しい組み合わせのメンバーがテーブルを囲んでいた。
先日、シャルルの予知能力を目の当たりにしたリサーナがその話題を切り出した。
「で、そのときシャルルが言ったとおり、マカオとワカバが若者について語り出したんだけどね、話の内容がヒドイの」
さもおかしそうに語るリサーナの明るさにつられ、レビィやジュビアも笑顔になる。
「女の子のお尻と胸の話なんだもん」
「やだぁ」
「あきれちゃうよね〜」

シャルルは楽しそうな女子の様子を眺めながら、自分が見た「景色」のことが気になっていた。
倒れていた誰か。
泣き叫ぶカナ。
哀しみと怒りにうち震えながら闘うナツ。
S級魔導士昇格試験には嫌なカンジがする・・・。
しかもウェンディは試験に参加しないものだと思っていたのに、結局ミストガンの弟子だとかいうメストのパートナーになってしまった。
自分の不完全な予知能力で、昇格試験を邪魔するわけにもいかず、シャルルはしぶしぶウェンディが天狼島へ行くことを認めたのだった。

そのとき、ウェンディがレビィに問うた。
「そういえば、レビィさん」
「なぁに?」
「前に、私とシャルルがガジルさんに目をつけられて大変だねってルーシィさんがおっしゃったとき、大丈夫よ、たぶんって言ってくださいましたよね」
「そ、そうだった?」
レビィはもちろん覚えていたが、リサーナやジュビアの手前、忘れたふりをした。
しかし、まだ子どもながらも勘のいいウェンディは、にっこり笑って続けた。
「やっぱり、レビィさんはガジルさんのことよくわかってらっしゃるんですね」
「?」
「だからこそ、ガジルさんもレビィさんのパートナーに名乗り出られたんじゃないでしょうか?」
「そ、そうかなぁ」
ウェンディの言葉にレビィは真っ赤になった。
「へぇー、そうなんだぁ」
リサーナもウェンディの言葉に納得したようだ。
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