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□ドラゴン・ロード
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男の名は、ガジル・レッドフォックス。
かつて、魔導士ギルド「妖精の尻尾」を崩壊させた経歴を持つ。
その後、ガジルは運命の糸にたぐり寄せられるように、旧敵の「妖精の尻尾」に加入することになった。

「鉄竜のガジル」としての力を恐れられていたことに加え、
顔面ピアス、粗野なふるまいに乱暴な言葉遣い、といったガジルの存在は
なかなかおいそれと周囲に溶け込めるわけではなかった。
しかし紆余曲折を経て、ガジルも妖精の尻尾の魔導士として、自他共に認められるようになった。


そして、S級魔導士昇格試験のさなかに起きた闇ギルド「悪魔の心臓」との一戦を経て、魔導士たちがギルドに帰ってきた。
そんなある日のこと。


リクエストボードの前で腕を組み、仕事を物色しているガジルの姿があった。
そのガジルを見つけ、近づいてきた小さな影が一つ。
「ガ、ガジル」
「ん?なんだよ。お前ェか。小せェからわかンなかったぜ」
真っ赤な顔をして、レビィがガジルに声をかけた。
「し、試験の時はありがとう///」
「ケッ。別に礼を言われるようなことでもねェよ」
「で、でも・・・」
「フン」
S級魔導士昇格試験でレビィのパートナーになったことなど、
ガジルにとっては、もう遠い昔のことのようで、目はリクエストボードをにらんでいる。


魔導士たちにとって、仕事は生きていくための糧を手に入れる手段であると同時に、
自分を鍛え高めていくものでもあった。
ガジルのようなバトル系の魔導士にとって、強い相手との戦いを必要とされる仕事などは、
自分の力を試し鍛えるうえでも好都合だったのだ。


「へぇ、5年クエストねェ。面白そうだな、ギヒヒ」
「ご、5年クエスト?」
「なんだよ、なんか文句あっか!アァ?」
5年クエストに目を輝かせているガジルを、レビィが心配そうに見つめた。
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