story

□forget-me-not
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ロキの言葉にうながされて、そこにいた全員がギルドの入り口を見ると、
シフォンに包まれた小さな鉢植えを
大切そうに抱えたガジルの姿があった。
シフォンのすき間から、青い小さな花がかわいらしい花びらをのぞかせている。

「ガジル!!」
さけんだのはレビィだった。
「レビィの分は彼に任せたんだよ」
ロキにダメ押しされ、すでにノックアウト状態のジェットとドロイが最後の力を振り絞って?カウンターへと消えていった。

レビィは本能のまま、ガジルに歩み寄ると
彼の腕の中の青い小さな花をのぞきこんだ。
ガジルは鉢植えをそっとレビィにもたせた。
「ほらよ。お前ェにやるよ///」
「あ///ありがとう!」
「お前ェにそっくりだろ?この花」
「//////」
レビィは真っ赤になってうなずいた。
「あっちの方がよかったかもしんねェけどよ」
ガジルは女性陣たちが抱えている花束を顎でしゃくりながら言った。
レビィは、なおも顔を真っ赤にしたまま首を振って、言った。
「こっちの方がいいよ!私、大切にするから!ありがとう、ガジル」
「ギヒヒ」

「あ〜腹減ったァ!」
ガジルの隣でうれしそうに、鉢植えを見ているレビィを横目で見ながら、ガジルはやっと
空腹を満たすことができたのだった。
「ガジル、この花の花ことば知ってるの?」
「ンなもん、知るわけねェだろ。
お前ェに似てるからそれにしただけのことだろうが///」
「ふぅん。なんで赤くなってんの?」
「知るかよ!」


何年かのち、
この鉢植えを抱えてレビィがガジルの部屋に
嫁いでくることになるのだが、
それはまた、別の話。



END




私自身とっても思い入れのある花にまつわるお話になりました。
ガジルくん、がんばったね。
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