膠原病と難病の私。

□初めての自殺願望。
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それは私が小学1年生の時、初めて登った校舎の屋上で、授業の為に先生と屋上に上がり、上から下を見下ろした時だった。
その時、遠くに見えた山は綺麗で花が咲いた花壇はみずみずしく、同級生達は私を変な目線で見ない、早く授業をしてよ、と言う目線で私を見上げていた。

私は、ここから落ちたら、同級生達からどんな悲鳴があがるのだろうか、と思った。
ここから落ちて死んだら、どんな歪んだ顔が見られるのだろうか、と思った。

それは、初めて自殺願望を抱いた小学1年生の春。

しかし、私は飛び降りるのを止めた。怖かったからではなく、その悲鳴があがるのは私が死んだ後だと思ったからだった。

今じゃ怖くて出来ないけど、その時は素直に、同級生達の悲鳴が聞きたかった。


自分が狂っていると、自覚した、桜の季節の春。



私は授業の為に、先生と屋上の戸井から水を流した。同級生達から、歓声があがる。その興奮した声が、酷く滑稽に聞こえた。

私は益々、飛び降りたい気持ちが膨れ上がる。でも、滑稽な声が私を包んだら、死んだら二度とこの声が聞けないと思った。

悲鳴も良いけど、私を特別に見てくれる声の方が、魅力的に思え、私は飛び降りるのを止めて、先生と教室に戻った。歪んだ自分と、まだ正気を保とうとする自分が分裂し、心に穴をあけた小学1年生の春、初めての自殺願望だった。

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