短編

□みっくみくにシテヤンヨ♪
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「クオ君どうしたの?」


ミクが上目遣いで僕を見てきた。くっ…可愛い!

「クオ君…?そんなにお兄ちゃんの事、心配してくれたんだねっ。今度は大丈夫だよ。パンツ穿いてるから」


鼻血が出そうだったから上を向いていたら、ミクに悲しいことを言われた。


「それより、お昼食べようっクオ君」


ミクは僕の気持ちを知らないで、シテヤンヨと一緒に台所へ行っちゃった。

小悪魔か…天然か…。まぁ、僕はそこに惚れたんだけどねっ。



「じゃーん!」


ミクが、台所から料理を持ってきた。
効果音付きとか…可愛くて鼻から血を吹きそうだ。

ミクが持ってきたお皿は全面緑。
さすがネギの歌姫。
ぬかり無いね。もちろん僕も好きだけど。


「まずねー。焼きネギでしょー…」


ミクが料理の説明してくれる。やば、聞かないと。


「それからね、はんぺんで作ったネギと、ちくわネギ。そしてがんもどきネギ!」

「みんな練り物ヤンヨ」

シテヤンヨとミクがうんうんと頷いて、ミクの料理をつついている。


「え、っとぉ…?」


この場合って何て言ったらいいんだ?


「ふおふん、はへる?」


おそらく「クオ君、食べる?」って聞いてくれたんだろうな…。可愛いけど、練り物ネギか…。



「ねぎま作ってあげようか?」


僕は、ネギの代表料理と思えるねぎまを提案した。
いくらなんでも、料理全部が焼きネギ、練り物ネギなんて…虚しいだろ?


『嫌だ!!(ヤンヨ!)』


えっ、えっえっえー!?
なんで拒否したの!?
練り物ネギってそんなに美味しいもんなの?


「…酷いよぉ。クオ君、あたしの料理食べてくれない…」
「ミクを泣かせた…敵 潰すヤンヨ…!」


シテヤンヨの目が赤く光った、と思った瞬間には、僕の耳元でジュッって音がした。

油の切れたブリキのおもちゃのように、ギギギギと首だけ横にずらすと、壁に穴が開いて、そこから煙がもくもくと出ていた。…あ の…。どういう事?


「覚悟…ヤンヨ」


シテヤンヨが言うと、効果音と共に破壊光線が放たれた。

僕は玄関を突き破って、マンション前の道路に頭から突き刺さる。

僕は、後に変形したドアとマスター兄の笑顔を拝む羽目になった。



Fin
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