ギャグマンガ日和
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ああ、僕は
「曽良くん、」
どうしようもないくらい、
「曽良くんてば!」
このジジイが―――――…
「うるさいですよ芭蕉さん」
「何これ重ォッ!」
得意の断罪チョップをくれてやると、
地面をゴロゴロと転がって行く。
「なんですか」
「叩いてから聞くなよ!
曽良くん、なんかあった?」
「…は?」
愛する人
(曽芭/元禄/甘)
「なんか、嬉しそうだから」
「…」
僕はいつものように無表情でいた筈なのだが。
やはり、この人には敵わないか。
「なんかあったの?
あ、さっきのお団子屋さんの女の人が綺麗だったから?」
…馬鹿が。
「それとも、美味しかったから?
美味しかったよねえ〜たくさん買っておけばよかったなあ。
まあ、どっちでもいいか。
曽良くんが嬉しいなら私も嬉しいよ」
ああ本当に…
僕は芭蕉さんが、
「…馬鹿ジジイ。
愛する人が隣にいるんです。
嬉しい他になにがあると言うんですか」
「…!」
愛しくて、しょうがない。
みるみる赤くなる頬に、
唇を落としてやると恥ずかしそうに笑う。
「相変わらず君は口がうまいなあ」
「本心です」
「そらくん、だいすき」
子供のように笑う彼を力一杯抱き締めた。
(愛しい愛しい愛しい)
(言葉にできないくらい)