ギャグマンガ日和

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「芭蕉さん」


「なあに曽良君」




名前を呼べば振り向いてくれる彼が愛しい。

今日は珍しく率先して彼が前を歩く。
松尾、なんだか今日は元気モリモリ!などとほざきながら歩いていったのだ。
弱ジジイのくせに、と思ったがおとなしくついていってやる。





原動力は
(曽芭/元禄/甘)







「疲れないんですか」
「うん。昨日は夢見がよかったんだ!」


軽やかに歩きながらまたこちらに振り向く。




「いい夢を?」
「うん!」



彼をこんなにも元気にするとは、一体どんな夢だろうか。僕は無性に知りたくなった。
僕が夢の内容を聞く前に彼は話し出す。



「ひとつめは、マーフィー君の夢!マーフィー君が人間になったんだよ!」
「…くだらない夢ですね」



なんだ、またあの小汚いぬいぐるみか。と大きなため息をつく。



「くだらないとはなんだっ!
あともういっこはね、」

君の夢だよ。と言った彼の笑顔が眩しかった。





「…ギャラを頂きますよ」
「えええまじかよ!」



ますますどんな夢だろうか気になった。
夢の中の僕はどんなだったのか。



「2人でね、お団子食べてたの。
違う味のを食べてて、
交換したりしたんだ。あったかくて、幸せな夢だったなあ
やっぱり私、曽良君が大好きなんだなって思ったよ。
夢に出てきただけでこんなに元気になれるんだもの」





にかりと恥ずかしそうに笑って僕を見た。
つられて僕も口角が上がる。

抱き締めたいという衝動に刈られたが、必死にこらえて僕は口を開く。









「芭蕉さん、
団子でも、食べましょうか」










(あったかい日溜まりの中)
(甘い甘い御団子を)


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