夢と雫

□クリスマスツリー
2ページ/4ページ

毎年飾られるツリーは子供達でさえ見向きもしない。

いつもツリーを屋敷の前へ飾り付けるのは、僕とアイクだ。


「もう、本当に誰も覚えてないんだな」


アイクは少し俯いて呟いた。

そう。

誰も、クリスマスを覚えてないんだ。


正しく言えばメンバーの頭の中からクリスマスというイベントが消えたんだ。


「なんで、僕らだけはクリスマスが消えなかったんだろうか」


部屋に戻り、窓から外を覗くと積もった雪がツリーのライトを反射して幻想的な雰囲気を醸し出していた。

こんなに、綺麗なのに。

こんなに、素敵なのに。


なぜ、こうなってしまったんだろうか。

 
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ