夢と雫
□クリスマスツリー
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毎年飾られるツリーは子供達でさえ見向きもしない。
いつもツリーを屋敷の前へ飾り付けるのは、僕とアイクだ。
「もう、本当に誰も覚えてないんだな」
アイクは少し俯いて呟いた。
そう。
誰も、クリスマスを覚えてないんだ。
正しく言えばメンバーの頭の中からクリスマスというイベントが消えたんだ。
「なんで、僕らだけはクリスマスが消えなかったんだろうか」
部屋に戻り、窓から外を覗くと積もった雪がツリーのライトを反射して幻想的な雰囲気を醸し出していた。
こんなに、綺麗なのに。
こんなに、素敵なのに。
なぜ、こうなってしまったんだろうか。