Long

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『桜が咲いたら錫也と桜を見たいな』
「約束だよ」


あの日、錫也と約束をしたけど 結局叶わなかった
ごめんね 錫也。 本当はね私も辛いんだよ
だけどこれはしょうがない 両親のせいなんだっ


『あれ?』


目覚まし時計の音で目覚めた私。
もう朝だ 夢を見ていたんだ
楽しいのか楽しくないのかもう全然わからない
約束をしていたんだね 二人で桜を見る約束を。
それで私は破ってしまったんだ でもこれは夢のお話だ


はっきり言うが幼い頃の記憶なんか
全然覚えていない 少しだけ錫也と遊んだ記憶がある
だけど桜を見ようっていう約束は覚えていない



こんなこと考えないで早く学校に行かなきゃ



私は急いで走り教室に着いた
教室は賑やかでうるさくてもう頭が痛い



「大丈夫?体調、悪いの?」
錫也はどうして優しいのかな
『あ・・・』
「顔が悪そうだよ」
『ごめんね。心配かけて。』
「ところでこんな約束を覚えてる?二人で桜を見ようって約束したけど結局は」
『私が破って引っ越してしまったんでしょ?』


なんだっ 本当にあった約束だったんだ
夢の中ってすごいな・・・



「なんだ。覚えていたんだ。」
『まぁね』
「桜が咲いたら一緒に二人っきりで見よう」
『絶対に破らないよ。私!今度こそ』
「楽しみにしているよ。俺は次の授業の準備をしてくる」
『あ、うん』




絶対に破らないから 心配しないでね?

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