長編

□life
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1月1日

律儀にも0時ピッタリに届いたメールを見て
あぁ、また年が明けたのかと実感する



大分古いタイプの携帯であった
スマートフォンなんて生み出されていない頃の二つ折りの携帯


これは彼、沢田綱吉に骸がマフィアと生活を共にするなどヘドが出ると言って本部を立ち去る際、無理矢理押し付けられた物


『骸がマフィアを嫌いなのはよく知ってる。だから無理に残れとは言わないよ
だけど、これだけは絶対棄てないでね』

もしもの時の連絡用にと手渡されたソレを、自分から使った事は今のところ一度もない

いつだって彼からのメールが先だった
それに時々気が向けば返事をする、ぐらいにしか使ったことがない

めったに返事も返ってこないと分かっていながら、それでも彼からのメールが絶えることはなかった


元気か?
とか
今どこにいる?
とか、ジジクサイ内容から
今日こっちは雨だよ
とか
書類の山が、消えない…
とか、日常の呟きまで
月に一通は必ずメールがきた

正直鬱陶しいし、約束を守ってやる義理もないので
棄ててやろうとも思ったが、なんだかんだと時は経ち、結局ソレはポケットの中にある


彼と自分との
今目に見えて分かる唯一の繋がりだった


メール画面をぼんやり見ながら、骸は小さく微笑んだ
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