短編

□一人は嫌
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俺と黒子っちはいわゆる恋人というやつだった
自分でいうのも何だけどラヴラヴってやつだ

「ずっと一緒にいようね」って言ったら「もちろんです」って笑顔でこたえてくれた

それからたくさん、たくさん思い出をつくった

一緒にお弁当を食べて
一緒に部活して
一緒に帰って
マジバ寄って
図書館に行ったり

いっぱいいっぱい話しをした

いつも隣に居るのが当たり前で、事あるごとに「黒子っち」って話しかけてた

ナナメ下の水色を見とめるのが大好きだった。視線に気づいてチラリと見上げる、髪と同じキレイな水色が大好きだった

「なんですか?」という君に「呼んでみただけ」とエヘヘと笑って「じゃあ話しかけないでください」とツンが強い君が大好きだった

そのくせ時々「黄瀬君」「なぁに?」「好きですよ」と、ふいに告白してくる男前な黒子っちが好きだった


ずっとこの日常が続くんだと思ってた

でも


「ねぇ黒子っち」
といつものように話しかけようと隣をみれば、ポッカリと空間があって。
さっきまでは何ともなかったのに、急にナニカが込み上げてきて


あぁ、そうだ、黒子テツヤは昨日



―――死んだのだ―――





「――ッッ!!!!」

瞬間俺は駆け出していた

黒子っちと行った場所に、ひたすら彼の姿を探した

図書館
マジバ
帰り道
体育館

最後にいつも一緒にお弁当を食べていた屋上へと足をのばした


「黒子っち!!」

黒子っちどこ!?って迷惑なぐらい大声で呼んでみた

でも姿はみえなくて、どこにも君の姿はなくて



ねぇ、黒子っち、おいていかないで

君がいるわけではないけれど、すがるように手をのばす

おいていかないでよ

ずっと一緒にいるって約束したじゃないっスか

あの言葉は嘘だったの?

ねぇ

おいてかないで

お願いだから


「一人にしないで」



――見えたのは君の色――










あとがき

みようによっては振られた黄瀬君が狂った話しにみえなくもない、と思った←
一応死ねたです
多分黒子っちは交通事故あたり
黄瀬君も……
幸せな二人が書きたいな

2012/12/6

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