短編

□ずっと側にいても良いですか
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言葉の通り、それから毎日?(時計も光もないので正確には分からないが)ベータは俺の元に通うようになった。


俺は返事も出来ないというのに、彼女はずっと語りかけてくる。


今日の天気は晴れだとか
昨日はアルファが牢獄送りにされたとか
エイナムという子が雷門に勝負を挑みに行って負けて来たの、とか
最近睡眠不足だとか


とにかく毎日話を聞かせてくれる。


「今日はエイナムが無限牢獄いきになりそうなのを庇ってあげちゃったんですよ」

私って優しいでしょ?

そうやって今日もベータはお喋りにきた。

どうすることも出来ず、話を聞く。


「あの時のエイナムの驚いた表情を是非見せてあげたかったなぁ」

ニコニコと笑いながら語るベータ。
初めて会った時と変わらない笑顔。

ただ、最近少し見方が変わった。


「エイナムったら、私が庇うとは思ってなかったみたいで。それとも大好きなアルファを差し置いてリーダーになった私に庇われたことが屈辱だったのかしら」

初めて会った時は、人を見下した様な、嘲笑う様な笑顔だと感じていた。
けれど、毎日会いに来る彼女をみていると、


「ホント、あの子達はアルファの事を尊敬しちゃってるんだから」

どこか

「私の方が強くて、頼りになって、しかも可愛いのに」


寂しそうで。


「…どうしてアルファなのよ」


あぁ、と納得した。
彼女は独りなのだ。

ずっと話しを聞いてきたが、彼女の口から友達とか、仲間とか、そんな存在が見受けられなかった。
チームのリーダーとして仲良くしている子は居るようだが、本当に、心からの仲間と呼べる者はいないらしい。

「どうして私には」

敵だというのに、そんな彼女を護ってやりたいと思ってしまったのは不謹慎だろうか?

「誰もいないの…?」


なぁ、ベータ。
お前は独りじゃないよ。
俺は知ってる。
お前の弱さも。
お前の優しさも。

だからさ、ベータ。

そんな顔するなよ。

















あとがき
あれ、円ベタっぽい?
いや、ベタ円ですよ、一応!
ベータちゃんって、本当は友達が欲しいけど、人付き合いが下手でつんけんしちゃう子だと思うのです←
本当はメンタル弱い女の子なんだよ〜っていうのが書きたかった!!

この後放って置けなかった円堂さんはベータちゃんの隣に居てあげて、天馬達の前に現れるという"半"闇落ちを考えてた←
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