短編

□「頑張れ」無責任に私を追い詰める
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しかし、その後も彼は技を出すことが出来なかった。

仲間の助けもあって、なんとかその試合は乗り切ったが、モヤモヤしたものが胸を漂っていた。


次の試合も、その次の試合も、彼はシュートを止めることが出来なくなった。

ただ、練習中は普通なのだ。
ゴッドハンドもマジン・ザ・ハンドも、他の技だって普通に出せる。
なのに本気の試合になると何故か体が硬直してしまう。


「イップスじゃないか?」

ふとチームメイトの一人が言った。

詳しくは知らないが精神的なものから身体へ影響が出るものだ。
確かに症状がよく似ていた。
自分では意識したことがなかったが、俺はサッカーに何か恐怖を覚えているのかも知れない。
自分がサッカーを恐れる日が来るなど思ってもみなかった。



症状が回復されないまま、しばらく経ち、監督に呼ばれた。

「今日呼んだのは少し話しがあってね……」

「……イップスについてですね?」

「ああ……」


予感はしていた事だった。
ゴールを止められないGKがずっと居られるほど、プロの世界は甘くない。

「君の存在自体がチームの精神的支えになっているから、出来れば残っていてほしいのだけどね」

心から残念そうに、言葉を紡いでくれる。

「そう言って頂けるだけで有り難いです」

「私達は君が戻ってくるのを信じて待っているよ」

「はい。ありがとうございます!!」



チームを抜け、日本に帰る日の空港。
たくさんの仲間が見送りに来てくれた。

「……行くのか?」
「あぁ、」
「すまないな、お前に頼り過ぎてた俺達にも原因があるのに……」
「なんだよ。そんなこと気にしてたのか?別にこれは皆のせいじゃない」
「しかしっ……」
「それに、そろそろ休暇取りたいと思ってたんだよ。お前と違って、俺には日本に待っててくれる妻もいるしな!」
「……それ、彼女すら居ないオレに対する嫌みか?」
「さぁ?どうだろうな」
「ったく…」
「アハハ」
「………」
「………」
「待ってるからな、俺達」
「…あぁ、その時はまた一緒にサッカーやろうぜ!!」
「お前はいつもそればっかだよな。…うん、そうだなっ!」


暖かい仲間に見送られ、俺は日本への帰路についた。



ーーーーーー
ーーー


「お帰りなさい、円堂君」

『おう、ただいま!!!!』






あとがき
意味不なのはいつものこと。
イナクロ2、6話?を見ての妄想。
円堂さんゴッドハンドV出してる!?(カッコイイ!!)→何故プロに戻らなかった?→ふとテレビを見る『ぷろゴルファーの〇〇さんは昔イップスに悩まされて……』→………これじゃね!?

みたいな。
音声だけだったからイップスって病名?じゃないかもしれないが、まぁその時はその時です。
知識はそのテレビと、確かメジャーの吾郎君も悩まされてたヤツだよね?
という曖昧さから出来ました。
皆の期待に応えなくては!というところからイップスへ…的イメージ。うんわかりずらいな。

実際のところどうなんですか公式さん!



雲の空耳と独り言+α
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