短編
□笑顔イコール恐怖
2ページ/7ページ
ツナの存在に気づいたのか一瞬静かになる。
「よ、よぉ!!ツナ!!」
ーーバタンーー
誰かに話しかけられたような気もしたが、今のツナには聞こえてないようだ。
ツナはゆっくりと今見た光景を振り返りながら、開けた扉を閉めた。
(う〜ん…疲れてるのかな…。部屋で野球してるなんて変な夢見ちゃうとは、今日はゆっくり休もう)
最近働きづめだったからなぁ〜
なんて思いながらクルリと向きを変えて歩き出そうとした。
一歩踏み出した時、ガバッと首に腕を回された。
「無視するなんて酷いのな〜」
「……山本」
「あ〜その…お客さん待ってるぜ?」
「あ〜…うん、そうだね…」
山本は何かバツが悪そうに、ツナをさっきの部屋にうながす。
(オレ、確か仕事の話しをしに来たはずなのに、何だろうこのフワリとした雰囲気は……。っていうか何か嫌な予感がするんだよなぁ〜)
山本に連れられて、さっきの部屋に戻ったツナは、何とも表しがたい表情を部屋にいた人に向けた。
ツナがさっき見たのは夢ではなかった。
部屋の中はもの凄く悲惨な状態だったのである。